発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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統計データ

data_graph発達障害*についての統計は米国を中心に海外のものが豊富です。人種・文化による差異は様々な研究が進んでいますが、ここでは世界的にほぼ同一の割合という前提で国内外の調査をご紹介していきます。また発達障害は先天的な症状であり、多動性が軽減されていくなどを除いては加齢によって診断割合の変化が少ないと考えられるため、以下のデータは概ねすべての年齢層に当てはまる傾向であるという前提でまとめています。

発達障害全般

はじめに:発達障害をひとくくりにしてデータを集めている例は世界的には少なく、日本の特徴とも思われます。ただし現場の印象では診断名だけでは説明しづらい状態がしばしばみられることや、ほかの特徴の合わさっている(例:ADHDという診断だがASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群)も重なっていると考えたほうが良い場合)が多いです。このため発達障害をひとくくりにすることはむしろ実情にあった考え方だともいえます。ここでは非常に有名な文部科学省の最新のデータをご紹介します。
(出典:文部科学省 通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について 2012年

6.5% … 発達障害児の割合

文部科学省により2012年に全国の公立小中学校で約5万人を対象にした調査結果で、”発達障害の可能性のある”とされた児童生徒の割合です。一クラスに2人程度は発達障害の傾向があるということになります。注意すべきなのは、通常学級に通う児童生徒を対象にしているため、知的障害のある子(特別支援学校などに通っている発達障害児)などはデータから除かれており、実際の数字は6.5%よりも高い可能性があることです。一方であくまで周囲の(発達障害について知識のある)教職員などが見立てたデータであり、医師の診断を受けた割合が6.5%ではないことは理解しておく必要があります。なお、6.5%という数字は発達障害の全体を考えた数字であり、より細かな分類は以下のようになっています。

  • 4.5% … 学習面で著しい困難
  • 3.6% … 行動面で著しい困難(当社注:全体指示が入らない、落ち着きがなく着席が不安定等)
  • 1.6% … 学習面・行動面の両面で著しい困難

ASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群)

米国でTEACCH(ティーチ 自閉症児のための療育法)がノースカロライナ大学ではじめられたのが1974年。当時は2500人に一人が自閉症と診断されていた時代でした。それから約40年。2015年現在の最新統計では30倍以上に割合が上がっています。診断技術の向上や発達障害の認識向上、環境面の変化など様々に発症率の急増原因が考えられていますが、定まった見解はまだありません。

1.5%

全米の子どものうちASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群)の割合は、1.5%(68人に一人)というのが、最新の統計です。これは10年前の統計(150人に一人)に比べても2倍程度の割合となっています。Data & Statistics | Autism Spectrum Disorders | CDC(米国)

2.64%

韓国におけるイェール大学などによる大規模調査では2.64%(38人に一人)が自閉症という調査結果も出ています。Prevalence of autism spectrum disorders in a total population sample. 2013年

男子は5倍

CDCの最新統計では、男子は女子に比べて5倍の割合(男子:42人に一人 女子:189人に一人)で発症しているとしています。

ASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群)について詳しくは下記ページをご覧ください。
ASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群)

ADHD(注意欠如多動症)

ADHDも子どもの統計を中心に米国で様々な発表があります。ここでは米国の政府統計を中心にご紹介します。

11%

DSM-Vという米国精神学会の診断基準ではADHDの割合は5%とされていますが、米国政府の統計では11%の子どもがADHDと診断されていると発表されています。米国の子どもだけでも640万人が診断されているとのことです。またADHDも男子の割合が女子に比べて多い(男子:13.2% 女子:5.6%)とされていますが、別の統計ではほぼ同数という統計もあります。 Data & Statistics | ADHD | CDC (米国) ADHD and Gender

3人に2人はADHD治療薬服用

現在米国ではADHD治療薬(ヤンセンファーマ社コンサータ イーライリリー社ストラテラ 等があり、リンクのように各社がADHDの啓発活動を行っている)が一般的に使われています。ニューヨークタイムズの記事によると400万人の子どもが米国で服薬中とのことで、これは診断を受けているとみられるADHDの子どもの3人に2人の割合となります。

ADHD(注意欠如多動症)について詳しくは下記ページをご覧ください。
ADHD(注意欠如多動症)

LD(学習障害)

学習障害は読み書きが非常に困難なディスレクシアの人から、一部の学習分野が苦手である程度の人までが含まれる可能性があり、定義が難しくしっかりとした統計が少ないといえます。以下ではカナダの団体による統計を用います。Prevalance of Learning Disabilities | Learning Disabilities Association of Canada 2007年

3.2%

カナダの子どものうち3.2%がなんらかの学習障害があるという調査が残っています。なお、上述の日本の調査でも、学習に著しい困難を抱える割合は4.5%と、似た数字が出ています。

LD(学習障害)について詳しくは下記ページをご覧ください。
LD(学習障害)

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

*学習障害は現在、DSM-5では限局性学習症/Specific Learning Disability、ICD-11では発達性学習症/Developmental Learning Disorderと言われます

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