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小学生の発達障害 | 特徴と支援のポイントを解説

ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー)、ADHD(注意欠如多動性障害)、LD(学習障害)など発達障害のある小学生のつまづきポイントや、活かせる強み、支援・教育の際に心掛けるべきことをお伝えします。


【学年別】小学生の発達障害 困り感チェックリスト

▼小学校低学年(1・2年生)の発達障害
▼小学校中学年(3・4年生)の発達障害
▼小学校高学年(5・6年生)の発達障害

 小学生の発達障害 強みチェックリスト

 小学生の発達障害 支援・教育のためのポイント

「毎日トラブル続きで叱ってばかり」「勉強にまったくついていかれない…うちの子だけ?」…小学校に入ると、本格的な集団行動と学習が始まり、周囲との発達のちがいがより目立つようになるでしょう。

しかし、他の子と比べて落ち込んだりする必要はありません。発達障害は「発達しない障害」ではなく「通常よりもゆっくり、あるいは特異的に発達する障害」です。お子さんがどういった部分でつまづきやすいのか、逆にどのような状況で強みを発揮しやすいのかを把握した上で、サポートをしていかれるのが理想的ではあります。

一方で、多動で落ち着きがなかったり、パニックを起こして他害行動にでるなど…周囲に影響がある行動が多くでる年齢であり、対応も一筋縄ではいかないでしょう。保護者や先生も、お子さんと接することに疲れてしまったり、ときには対応の際に恐怖を感じることがあるかもしれません。困っているのは誰よりもお子さん自身であることは間違いないですが、周囲の人が不安を感じることは全く不自然ではなく、その感情を押しつぶす必要はありません。発達の凸凹を理解し、サポートしていくことはそれほど簡単なことではないので、専門家の手を借りながら、息抜きもしながら、お子さんと向き合っていってきましょう。

【学年別】小学生の発達障害 困り感チェックリスト

こちらでは、学年別の発達の特徴と、発達障害の子どもたちが学校で感じやすい困り感をまとめました。

【参考】文科省 各発達段階における子どもの成育をめぐる課題

小学校低学年(1・2年生)の発達障害

小学校低学年の時期は、定型発達の子どもたちも幼児性が残る時期のため、発達の凸凹から苦手感がでていても「練習やしつけが足りないだけ」という誤解をうけて強い指導を受けて失敗体験を繰り返してしまいがちです。

児童期に重ねた失敗体験は、自尊心の発育に大きく影響します。たくさんの成功体験と「失敗したけど挽回できたね」「失敗したけど一生懸命がんばれたね」と思えるような、健康的な失敗体験を積んでいかれるとよいでしょう。

生活面

授業中、ずっと座っていることができず離席する。

気持ちのコントロールがききにくく、嫌なことがあると物にあたったり、自傷・他害行為がでるなど癇癪をおこす。

ルール意識が強く、それを守らない人のことを許容することができない。また、座る場所や道順など、ルーティンへのこだわりが強く例外を認められない。

他人との距離感が過度に近い(初対面の人にも慣れ慣れしい)、あるいは遠い(特定の人物としか交流したがらない)など、人間関係において極端。

感覚が過敏だったり鈍かったりする。音の刺激に弱い(聴覚過敏)、食べ物の好き嫌いが激しい(味覚過敏、嗅覚過敏)、ブランコやトランポリンといった遊具を異常に好む(固有覚の鈍麻)、手が濡れることを極端に嫌がる(触覚過敏)

学習面

拗音・撥音・長音といったイレギュラーな読みの規則の習得が難しい。

「わ」と「れ」といった似た字の書き分けに苦手さが見られる。

二文字以上の単語をまとめて認識できず、逐次読みになる(例:「マ、マ、の、ネ、コ」)

繰り上がり、繰り下がりの操作が理解できない。

小学校中学年(3・4年生)の発達障害

”9歳の壁”とよばれる発達段階のハードルがあるこの時期は、学習や生活、友人関係など、さまざまな場面で「壁」にぶつかるようになります。小学校低学年の学習は目に見える具体物や身近なことが主な対象であるのに対して、小学校中学年は、算数の小数や分数、理科の電気といった具体的にイメージしにくい抽象的な内容が増えてきます。また、集団のなかでのルールを理解し、遊びなどでは自分たちで決まりを作り、ルールを守るといった集団との関わり方も活発になる時期です。

ほとんどのお子さんは告知を行っていない段階だと思います。失敗体験から「自分は何をやってもダメなんだ」といった認識にならないよう、注意をして見守っていく必要があります。

生活面

サッカーや野球といったチームスポーツなどにおいて、一番になるまで勝負を続けようとしたり、自分に有利なようにルールを変えたり、勝敗に過度にこだわったりする。

ギャングエイジと呼ばれるこの年代では親や先生よりも友人関係を大切にするようになるが、グループ内独自のルールが複雑化する中で”暗黙の了解”が理解できず友人関係がうまく築けない。

プリントの管理が難しく、なくしたりぐちゃぐちゃになったりする。学校の準備を自立的に行うのが難しく、保護者のサポートが必要。

学習面

小数や分数といった具体的にイメージがしにくい抽象的な内容を理解することが苦手である。

手先の不器用さから三角形定規やコンパスといった道具を上手く使えず、図形を綺麗に描けない。

事実を文章で表すことは出来るが、他者目線の薄さから、自分の意見や感想を文章にすることが出来ない。

小学校高学年(5・6年生)の発達障害

身体が大きく成長し、さらに自分のことを客観視する力がつきはじめる時期です。発達の個人差に気づく中で子どもらしい”全能感”が弱まり、自己肯定感が下がり始める時期でもあります。

また、他者意識が弱かった発達障害の子の中でも、周囲の目を気にし始める子がでてくるでしょう。発達障害の子は、その特性から、努力をしても克服できないこともでてきます。適切な対処方法を知らないと、「みんなはできるのにどうして自分だけできないのか」、「頑張っているのにうまくいかない」といった失敗体験ばかりを積んでしまい、劣等感を抱え続けてしまう場合があります。あるいは、うまくいっているように見えても、無理をし続けて心身のバランスを崩してしまう可能性もあります。

周囲と比べるのではなく、お子さんが自分自身の良さを自覚し、他者との違いを受け入れること、また、困難な状況の対処方法を知っていくことで、自分自身を大切にできる力を身につけていけるとよいでしょう。

生活面

じっとしていられないことは減ってきたが、不注意が目立ってきた。集中力が続かなかったり、ぼーっとしていて話を聞いていないように見えることがある。

第二次性徴期を迎えて、身体が変化していくことに対して、意識が追いつかない。同性との性に関する会話でうまく盛り上がることができない。

気ままな気質から帰属意識が弱く特定の友達グループに所属して過ごすことが苦手。

学習面

周りの子は小数と分数の四則計算ができるようになる中、通分や約分が必要になるなど、計算の手順が複雑になると理解が難しい。また、基礎的な問題でも、計算時のケアレスミスが多い。

宿題や板書などの書く量が増え、書くことに時間がかかりすぎてしまい、周りの子のスピードについていけない。

学校で扱う文章の難易度が上がり、でてくる語句の意味を正しく理解できなかったり、長文の文章の内容を理解することが難しい。

小学生の発達障害 強みチェックリスト

ここまでは学年毎に発達障害の子どもたちが困り感を覚えやすい事がらについてリストアップしてきましたが、そういった特性は強みとして作用することもたくさんあります。

ご本人の困り感を見逃さないようにするためにつまづきやすいポイントを理解しておくことは非常に重要ですが、子どもたちの特性を強みとして伸ばしていくために、「どういった場面でその力が発揮されるのか」という視点も忘れないようにしましょう。以下一例を載せておきます。

☑多動⇒活発で活動的。エネルギーが溢れているので学校のイベントなどで目立って活躍する。

☑他者視点の弱さ⇒周囲の目に左右されず、物おじせずに手を挙げて発言をすることができる。

☑融通のきかなさ⇒規範意識が強く、通学のルートを徹底するなど大人が見ていない場面でもルールを守ろうとする。

☑感覚が過敏⇒繊細な感覚をもっており、感受性が豊か。図工などの授業では独創的な発想を見せる。

☑勝ち負けにこだわり過ぎる⇒勝負ごとに対して本気で取り組むことができる。運動会や学芸会など、真剣に取り組むためチームの熱量をあげることができる。

☑自分の興味があることを一方的に話す⇒しゃべることが苦手で聞き上手なタイプのお子さんとは馬が合いやすい。

☑無頓着に見える⇒”執着”しないことで、フラットな目線で物事を考えることができる。同調圧力が生じやすい教室のなかで、別視点で話をすることができる。

小学生の発達障害  支援・教育のためのポイント

発達障害のある子を支援・教育する際、「その子の能力を伸ばすことに注力すべきか」「能力の補填ができるような道具の活用を促すべきか」「課題が目立たないような環境設定をすべきか」といった意見で対立することがよくあります。

例えば、文章を読むことに課題があるお子さんがいるとしたときに以下のような対応パターンが考えられます

  • ビジョントレーニングなどにとりくみ「読む」ことの機能自体の改善・向上を目指す
  • 読み上げ機能のあるICT機器を活用する
  • 体を動かすなど、本人が得意だったり成長が期待できそうな課題にシフトする

どの方法が正しい、ということはなく、そもそもの原因は何なのか、お子さんの現在の困り感の程度はどれくらいなのか、将来的な成長の可能性はどれくらいあるのか、などを鑑みて方針を決定していく必要があります。

小学生の場合、様々な知識や経験が不足している段階であり、発達の可能性が未知数なため機能の改善・向上を目指す場合が多いでしょう。その際に、注意すべき2つのキーワードをご紹介します。

エラーレス 新しいことを学習する場合は”誤らせない”

何か新しく学習する際には、”誤らせない(エラーレス)”方法で学習していくことが大切です。

「子どもは失敗しながら学ぶ」とよく言われますが、ワーキングメモリの弱い発達障害のあるお子さんの場合、一旦間違えると、間違った方法が強く記憶に残ってしまい、修正がききづらく次も同じ間違いをおかしやすくなります。

また、失敗・不正解への恐怖心が強いようなASD傾向の強いタイプは、失敗を経験した活動への拒絶反応が強くなり、その後の取り組みに支障がでることがあります。

新たに考え方や技術を習得していく際には、誤りがない状態でゴールにたどり着けるよう、事前に方法を提示したり、間違える直前にすぐ修正をかけられるのが望ましいです。エラーレスで経験を積み重ねていったことは、やがて自立的に、無意識的に負荷の低い状態で行うことができるようになります。これを「熟達」と呼びます。

なお、エラーレス学習は、決して子どもにチャレンジさせない・すべてをお膳立てする教育、とは異なります。正解のないことについて、自分なりに試行錯誤し、結果を振り返ることは子どもの成長に必要な機会です。エラーレス学習は、筆算のやり方のように手順(手続き)が決まっているものに関して有効な学び方だとご理解ください。

スモールステップ

エラーレスで経験を積み重ねていくためには、最初から大きな目標を掲げるのではなく、目標達成までの段階を細分化しましょう。小さな目標を達成する体験を積み重ねながら、最終目標に近づいていくことが重要です。このことをスモールステップと呼びます。

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なお、子どもの可能性を信じで機能の向上をサポートしていくことももちろん大切ですが、環境を変えたり便利な道具を活用することも非常に重要です。

例えば、周囲に目移りしてしまいがちで授業中なかなか集中ができないお子さんがいるとします。この場合は、「集中の練習」をスモールステップで取り組むよりも、そもそも集中がしやすいようにパーテーションを設置するなどの環境整備をして、学習指導に注力ができた方がよいでしょう。逆に、集中力の維持について指導をしたい場合は、取り組む課題自体は本人の興味が強かったり難易度が易しいものなどを選ぶ必要があります。

発達障害のお子さんの場合、「集中力」と「学習理解」といったようなの二つのスキルを同時に獲得していくことは難易度が高いです。課題とする行動を仕分け、ひとつひとつに丁寧にアプローチをしていけるとよいでしょう。

【参考】発達障害 小中高生のための専門的学習指導『まなびTEENS』

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