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【2021年度版】TEENS進路実績レポート(中3・高3)

2022年4月28日

TEENSでは毎春に進路納得度調査を実施しています。今回は2021年度のアンケートについてご報告をさせていただきます。

調査実施日:2022年3月14日~31日
調査回答:TEENSご利用の卒業学年の高校生41名、中学3年生31名とそのご家庭

なお、過去の記事も参考にご覧ください。参考:2020年度進路納得度調査アンケート

中学3年生・高校3年生の進路結果

まずは、中3生・高3生の進路から。詳細はグラフの通りです。

中3生 卒業後の進路

高3生 卒業後の進路

中3生については、チャレンジスクール等の選択肢が増え、高校の進路選択が多様化していることがわかります。昨年に比べ、全日制公立高校(通級利用無し)の割合も増えています。高校受験時に試験時間延長等の合理的配慮を申請されるご家庭もあり、平成28年4月1日に施行された「障害者差別解消法」の合理的配慮が少しずつ浸透してきたのかもしれません。(遅すぎるのかもしれませんが・・)

高3生についても昨年同様、進学が約70%と高く、アンケートには<自分の夢をかなえるため><高校で学んだ知識を深めたい>という前向きなコメントが多く寄せられました。
自分が何に興味を持っていて、どんな道に進みたいのか、ご本人主体で進路を選択していることがわかります。

※各進路については「発達障害*と進路 | 学校選び・高卒後進路まで解説」もご参照ください。

進路の相談先

去年に引き続き、学校・TEENS・塾が上位3位となりました。

アンケートの回答を見ると、相談している人の75%が2つ以上の機関に相談されています。TEENSの現場を見ていても、「学校の先生に自己PRを書いてきてと言われたけど、何を書けばいいのかわからない」「面接練習のアドバイスがほしい」など、学校や塾の先生に言われたことを改めて考えるお子さんが多くいらっしゃいます。

もちろん、相談先が多すぎてかえって混乱してしまうこともありますが、成績や実習の評価については学校や塾に、自分の特性や考えを整理する場所としてTEENSなどの支援機関に、というように目的別に使い分けることが重要なようです。

TEENSの役に立ったサポート

保護者様向け

ご本人様向け

こちらはTEENSで効果的だったサポートについての回答です。保護者の方・ご本人ともに「自己理解ができるようになった」が上位となりました。昨年よりご本人の回答数が上がっており(昨年のデータはこちら)、進路選択をきっかけに自分の「やりたいこと」「できること」「すべきこと」を振り返る方が多いことが考えられます。ただこれを1人で考えるのはとても難しいです。

コメントを見ていると、「TEENSのライブ講座(しごと未来塾)を通して自分を振り返る機会になった」「スタッフや他のお子さんと喋りながら、自分も似たタイプだなと感じた」と自分ひとりで考えるのではなく、何かのきっかけがあり初めて言語化できる方も多いです。壁打ちの相手やツールを見つけるのも重要かもしれません。

進路納得度

まずはご本人向けの回答です。

決まった進路先の温度感

決まった進路先の納得度

昨年同様、決定した進路への納得度は高く、90%以上の方が「現在の進路に納得している」と回答されていらっしゃいます。アンケートの中には<最初は違う進路を考えていたが、考えが変わり今は納得している>という声もあり、ご本人主体で進路選択をされていることがうかがえます。

続いて保護者の方向けです。

決まった進路先の温度感

決まった進路先の納得度

保護者の方についても85%以上の方が「現在の進路に納得している」と回答をされています。ご本人向けのアンケートと比べると若干低くでているのは、ご本人が主体となって動いている分、保護者の方のご不安もあるのかもしれません。進路選択理由の回答を見ても、

「本人の強い希望だった」
「本人の興味関心が持ちやすい授業があった」
「本人の長年の夢をかなえるため、以前から計画をしていた」

など、ご本人の思いをベースに考えているご家庭が多くありました。このアンケートをとったのは3月末頃なので、本当にこの進路を選んでよかったかどうか、実感してくるのはもう少し経った頃かもしれませんね。

まとめ

ニーズとともに学校も多様化しており、闇雲に情報収集するのは保護者の方もお子さんも混乱されることは多いと思います。だからこそ、「どんな環境だったら自分は健やかに過ごせるか」「どんなものがあったらやりがいを感じられるか」など<自己理解>を深め、新生活のイメージ・見通しをつけ<自己決定>することが重要と考えられます。「決めなきゃ」という思いに囚われすぎず、TEENSを通して少し立ち止まって自分自身を振り返る機会を作っていただければ幸いです。

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保護者の方々の声の中には「受験を経験した保護者の方と話す機会があり、本人との向き合い方に自信が持てた」「準備しておくべきことの見通しが持てた」という声もありました。

TEENSでは、放課後等デイサービスしごと未来塾の2つのサービスで、小中高生が楽しみながら就職・自立への準備ができるプログラムをご用意しています。

また、保護者の方向けに無料のウェブセミナーも開催。5/21(土)開催 『TEENS公開保護者会 就職までの進路の選択肢』では子育ての先輩方とも繋がれる機会となりますので、是非ご参加くださいませ。

その他

【2020年度版】TEENS進路実績レポート(中3・高3)

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ご利用までの流れ

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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