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発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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神奈川県横浜市 「岩谷学園高等専修学校」| 発達障害に理解のある学校 インタビュー特集 vol.005

得意を伸ばし苦手を補う「アップルーム」

――――では、発達に特性があるお子さんへのサポートの実践例についてお聞かせいただけますか?

志村先生 まずはクラス編成に関して、十分に準備をしたうえで決めています。本校は学年を3つに分けていますが、1組と2組は20~25名クラス、3組は15名前後のクラスを作っています。それは学力で決めているのではなく、生徒さんと保護者様のご希望を基に決めています。

3組は、「静かな環境で学習したい、そしてよりきめ細かい1対15名前後という体制での関りがほしい」という方向けに。ある程度コミュニケーションが活発で、友達と楽しく過ごしたいという方は1,2組をお勧めしています。

人間関係に非常に不安な生徒さんも多いので、結構ブレーキをかけながら新年度はスタートします。例えば、クラスの座席は初めから指定席にします。名前も貼ってあります。

あとはいじめは絶対に許さないというスタンスでいるので、何か困ったことや嫌な思いをしたときにはすぐに教えてねということをお伝えしています。トラブルを極力避けるために他にも、すぐに連絡先を交換しないようお願いしたりとか…まず、高校生活が安心・安全に始められるように学校全体でエネルギーを注いでいますね。最初に嫌な思いをしてしまうと、そのまま不登校に…ということにもなりかねないので。

――――なるほど。勉強面の配慮はいかがでしょうか?

志村先生 それについては、 アップルームという教室があります。アップルームというのは、 苦手なことを支援するための取り出し授業ですね。

ある教科だけ非常に 拒否反応が起きる具合になったという 場合、無理して教室で学習するのではなく、アップルームで教材の読み替えや組み換えをして学習を進めていきます。一番合理的な配慮を提供するための場所です。

例えば、LDで書字が苦手な方の場合。無理して書くのをやめて、パソコンなどを使って考えていることを表現できるように練習したりとか。得意な方に切り替えていく、ということを大切にしています。

――――高校における通級のような形でしょうか?それは学習に不安のあるお子さんにとっても手厚いサポートを受けられて安心ですね。

志村先生 はい。学習だけでなく、苦手な時間をアップルームで過ごせるようにして、安心できる場所を確保できるようにもしています。例えば過敏があり、休み時間のざわざわ感がどうしても苦手な生徒さん。アップルームでひとり静かに休み時間を過ごし、 授業になったら教室に戻るというような使いかたもできます。

――――特性に合わせて、使い方も選べるということですね。

 

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