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発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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神奈川県横浜市 「岩谷学園高等専修学校」| 発達障害に理解のある学校 インタビュー特集 vol.005

鉄道ファンたちに大人気!興味関心を追求するゼミ活動

――――その他にはどんな魅力がありますか?

志村先生 本校では、ゼミを総合的な学習ということで 取り入れています。1番人気は鉄道研究ゼミです。電車の写真を撮る「撮り鉄」…、駅に流れるチャイムが好きな「音鉄」。皆さんはまっているポイントは違いますが、毎回ちがう駅に行くのですよ。それぞれ駅に着いたら、やりたいことをやって、その活動を顧問はニコニコしながら見ています(笑)

――――微笑ましいですね。それぞれが自分の興味関心に合わせて活動できる時間は魅力的だと思います。

志村先生 生き生きしますよね。 ゼミの活動は金曜日の午後に行っているのですが、生徒たちは、このゼミ活動のために一週間頑張っています。今日はゼミの日だ!やるぞ!みたいな(笑)。

本校に入学したら、苦手なことはまずは置いておきましょうという話をしています。得意なところを伸ばしていき、自信をつけていきましょうと。

小中学校時代の生育歴をお聞きしていると、別に怠けているわけではないのですが、 嫌なことを散々に経験している子が多いです。 だからこそここでは、好きなことに集中的に取り組むために合理的配慮があります。面白いことに、好きなことだけでいいよと言い続けていると、自然と苦手なことも底上げされるのです。強制されないことで拒否感も和らいでいくので自然と力もついてきます。

――――しっかりと好きなことを行って、その相乗効果で苦手なこともやろうという気持ちが湧き出てくる…と。

志村先生 そうですね。 そしてゼミ活動だけでなく、行事もです。学園祭や合唱コンクールなど、小中学校時代では 絶対役割が回ってこなかった 生徒がほとんどです。 本校は少人数ですので、 一人一役やらざるを得ないようになっています。 そのうえで、嫌なことではなく得意なことをやってねとお伝えしています。生徒任せにするのではなく、先生側も適性を見極めて、「これやってみない?」なんて促したりしながら。

得意不得意を見極めて、役割を担ってくれないか声をかけると、その生徒さんは素晴らしくやり遂げてくれます 。素晴らしいことに、緘黙の生徒が学園祭で呼び込みをしてくれたこともありました。

――――すごい…!それは、役割をもらったことからやる気が芽生えたのでしょか?

志村先生 そうなんですよ。 クラス T シャツを着ますので、 気持ちが切り替わるんですよね。学園祭が終わるとまた元に戻るのですが (笑)。そういう姿を見ると、保護者の方も嬉しくて涙されていました。

そんな形で、入学後も抱えるくらい支援をしています 。ただ、抱えっぱなしでは駄目なのです。 だんだんだんだん、自立できるように手を離していくということも考えながらサポートをするようにしていますね。

具体的には1年生は手厚くやっていこうね、 でも2年生になったらいつまで手厚く見ているのかを話し合い、3年生で徐々に手を離していくという流れを大事にしています。

教員に対しても、管理職として指導や助言をしながらですね。実は私も失敗経験から学んでいるので。過去に在籍していた生徒が専門学校に進学したのですが、その後進学先の先生が途端に冷たく感じてしまったというケースがありました。本校が抱えすぎたままで旅立たせてしまったので、その子は泣きながら相談に来たのです。しまった、と思いました。情熱のある先生こそ、抱えっぱなしになってしまいやすいです。そこにブレーキをかけるのも、私たちの仕事ですね。

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