ティーンズ

発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
MENU

Thank Youカード~発達障害の人は「ありがとう」が苦手?~

2016年6月14日

TEENS御茶ノ水スタッフの穂刈です。本日はTEENSで実施している「Thank Youカード」についてご紹介します。
TEENSでは、月10日間程Thank You週間を設けています。普段なかなか言えない感謝の気持ちを言葉にして、お子さんたちからスタッフ宛にメッセージカードを書いてもらう・・といった内容です。

TEENS御茶ノ水ではお手製のポストを設置しています

◇発達障害のお子さんは「ありがとう」が苦手?

コミュニケーションが苦手なお子さん達は、相手の気持ちを理解することが難しく、なかなか「ありがとう」と感謝を伝えることができません。支援の中でも、物を渡すときに無言であったり、学習支援で質問があった問題を教えても、答えだけ書いてすぐ次の問題を解き進めたり・・・エピソードは数え切れません。
初めてこのシステムを導入した際も、Thank Youカードを書くお子さんは全くと言っていいほどおらず・・なかなか集まらないのでスタッフから声掛けをしました。

「今日XXさんに勉強教えてもらったでしょう?『教えてくれて、ありがとう』って伝えよう!」
「『ありがとう』って伝えると、XXさんも喜んでまた教えてくれるよ!」

など、感謝を伝える場面とメリットを伝えていきました。カードを貰うスタッフ側からお子さんに「私達に『ありがとう』を伝えて!」と言うのは恥ずかしさもありましたが、結果少しずつThank Youカードが集まってきました。
彼らも、場面とメリットを伝えればきちんと「ありがとう」と感謝を伝えることが出来るのです。

スタッフに促され、休憩時間を使って書いているお子さん。
カードを書くことで、書く力・伝える力も養われます。
先月はこれだけのカードが集まりました!!

◇「ありがとう」による効果

Thank Youカード週間が終わると、「この間Thank Youカード書いてくれてありがとう!今日も一緒にトランプして遊ぼうか!」「国語のテスト良かったんだね!次も一緒に頑張ろうね!」といった会話が飛び交います。カードを書いたお子さんも、「ありがとう」と言われ少し照れくさそうに笑う場面もちらほら・・。
スタッフのモチベーションが上がるのはもちろんですが、こうしたコミュニケーションの活性化にも繋がっています。「ありがとう」がもたらす効果は偉大だと改めて感じさせられました。

恥ずかしながら私も数枚お子さんからカードを貰いました。引き続き、お子さんから「ありがとう」と言ってもらえるようにサポートを行いつつ、今度は私からお子さんにカードを渡したいなと思っています。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

ページトップへ