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発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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発達障害のお子さんに必要なのは、「教科」の勉強より「休憩」の勉強?

2016年2月4日

TEENS川崎の飯島です。

TEENS川崎が開いて1ヶ月が過ぎました。久しぶりに初対面同士の子どもたちに囲まれて支援をしていますが、休憩時間に一番のプロデュースが一番難しく、楽しい時間でもあります。

TEENS川崎で流行中の2段ジェンガ

「休憩」を学ぶ?

TEENSでは平日に学習支援と呼ばれる個別セッションを開催しています。勉強だけでなくパソコン練習からカウンセリングまで個別のニーズに合わせて内容をカスタマイズできるのが特徴です(詳しくはこちら「こんなときTEENS」) 

しかし、学習支援で大切なのは学習の時間だけではありません。それと同じくらい、あるいはそれ以上に「休憩時間」の過ごし方の指導についても、力を入れています。

発達障害*のお子さんで「休憩時間」が苦手な子は多いです。「自由な時間なんだから好きにしてればいいじゃない!」と思われがちですが、そのルールのない自由な時間に何をすればよいのか分からず困ってしまうのです。

以下、休憩時間の困り感あるあるをまとめていきます

・何をしてよいのか分からず、休憩時間も勉強している
・友達の輪に加わりたいが、話題やスピードについていかれない
・自分の好きな話題ばかり出すので、周りに飽きられてしまう
・ひとりでクラスにいるのがいたたまれず、廊下を徘徊したりトイレにエスケープする
・ひとりでいたいのに友達が話しかけてくるので疲れる
・ひとりでいるとクラスメイトにちょっかいをかけられる
・授業と休憩時間の切り替えができず、どちらも中途半端になってしまう
・上記のような理由で一番緊張する時間帯であり、全く休まらない

勉強は学校で、塾で習うことができますが、休憩時間の過ごし方を教えてくれる授業はありません。そして、実はこれは子ども時代特有の問題ではなく、大人になって働き始めてもついてまわる課題です。というのも、大人の発達障害の方の離職理由のひとつとして、休憩時間がうまく過ごせずトラブルになるなど、実務以外ところに原因がある場合が少なくないのです。

まずは理解のある大人と繋がることから

ニュースレターでよく寄せられる質問の中に「同年代の友達ができない」というものがあります。その時決まってお答えしているのは、「同年代との交流はお互いの高度な配慮が不可欠なため、まずは理解のある大人と交流しましょう」ということです。

他者との関わりが苦手なお子さんでも、必ずしもそれが嫌いとは限りません。そんなわけでTEENSではまずは大人であるスタッフがリードしながら‘交流’の練習をします。次のステップとしてスタッフが橋渡しをしながら同年代のお子さんとゲームをするなど交流をもちます。そうしているうちに、自然とお子さん同士でコミュニケーションをとりあうようになります。

参考:ニュースレター2015年10月号「今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします」より

ひとりでいるために、守るルール

もちろんひとりで過ごすことの方が好きなタイプのお子さんもいます。そういうお子さんには交流を強制することはありませんが、「ひとりで上手に過ごすための処世術」についてはお伝えしていきます。

例えばインターネットで動画を見ていたとします。休み時間だからといって公の場にいるのであれば見ていい内容は限られてきます。話しかけられたら一度イヤホンを外して相手の方を見て話した方がよいでしょう。そういった当たり前だけど大切なことを、ひとつひとつ伝えていきます。

似ている人がいるから、安心できる

川崎以外の新宿・御茶ノ水・横浜はいずれも開所してから時間が経っているため、スタッフを介さなくてもお子さん同士での交流が盛んです。そこでは年齢や性別といった隔たりはあまりなく、「自分とちょっと似ている子」と仲良くなっていくようです。一見そっけないようなやりとりでも、本人たちはこれ以上ない心地よさを感じています。

TEENS川崎の休憩時間は、まだまだスタッフありきの交流ではありますが半年後、1年後の変化が楽しみです。

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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