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発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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【お仕事体験プログラム~人事部~】会社から見たわたしはどんな人?

2016年3月9日

TEENS川崎の飯島です。本日は2、3月にお仕事体験一般コース・プレティーンズで実施している新プログラム「人事部」についてご紹介です。

色んな職種をつまみ食い「お仕事体験一般コース」

お仕事体験一般コースではネット通販業務『KODOMO福』、コンサルタント業務『コンサルTEENS』、接客業『Cafe TEENS』と様々な職種を体験しながら、「はたらく力」を身につけていってもらうことが目標です。

目上の人への話しかけ方からお客様に対する敬語の遣い方、怒っている相手へ申し訳なさそうに謝るコツや時間内に終わらせるための計画立ての仕方まで…働く上で必要な能力を細分化・具体化することで、子どもたちがそれらを無意識にでも学んでいかれるようなプログラムになっています。

人の振り見て我が振り直そうプログラム

『人事部』プログラムでは、採用業務から人事評価までを行い「会社から見た時の、どんな人がどんな評価をされるのか知ろう!」というのがコンセプトになっています。

これまでのお仕事体験プログラムでは、子どもたちが実際に業務にあたりそれに対して上司役のスタッフから評価をもらう、というスタイルをとってきました。言い換えればお仕事の評価基準のインプットを重ねてきたお子さんたちに、『人事部』プログラムでは他者に対して今まで培ってきた評価基準をアウトプットしていく業務に取り組んでもらうわけです。

例えば、『Cafe TEENS』のプログラムの中で毎回のように「シャツの裾がちょっと出てますよ」と注意をされるA君。指摘されればすぐに直すことができますが、自分で気が付くことがなかなかできません。一方、先日行った『人事部』プログラムの中の「エントリーシート選考」で、応募者のひとりに対し「ネクタイがまがってて、だらしがない」という評価をA君がした後に、すっと自分のシャツの裾に目を向けてズボンの中にしまうことができました。今まで受けていた注意が、アウトプットすることで意味を帯び、実際の行動へと結びついた瞬間でした。

正解のないことから答えを見つける

『人事部』プログラムのもう一つの肝がこちらです。

発達障害*のお子さんは曖昧さを苦手とする場合が多いです。それは見通しが立たないことへの不安感や失敗に対する恐怖心からくるものですが、逆に言うと‘正確さ’には人一倍敏感だったりします。

再び「エントリーシート選考」を例に挙げると、「英検2級以上 または TOEIC540点の人」という選考基準については、皆さん抜け漏れなく確認することができます。しかし、もうひとつの「常識がある人」という選考基準で苦戦をします。2~4人のチームで意見交換しながら選考をしていくのですが、常識の定義が人それぞれ違うため話がまとまりません。「ネクタイがほんの少しでも曲がってたらダメだから、この人はダメ」「言葉遣いがすごく失礼な人だけど、TOEICの点数は一番高いからいいんじゃない?」と、色んな考えを披露してくれるお子さんの中に先輩社員役のスタッフが入り、さりげなく‘一般的’な考え方を伝えながら話がまとまるようナビゲートしていきます。

ちなみに、本プログラムに絶対的な正解はありません。どの応募者にもいいところもあり、悪いところもあるような状態にしているため、正解を探すことではなくチームで相談の上候補者をひとりに絞り込んで、その理由を具体的に話すことがゴールになります。

お子さんとともにプログラムも成長

ここまで人事部について色々書きましたが、実はとにかく難しいプログラムです。2月末に実施した授業参観では「動画選考」というプログラムを実施。「お母さんにいいところ見せるんだ!」と張り切っていたお子さんがうまく成果が出せずに意気消沈してしまい「何で今日に限ってこんなに難しいの!」と怒られることも…(ごめんね、子どもたち。。。) 来年度に向けてブラッシュアップ予定です。

4月からは一番古くからあるプログラム、『KODOMO福』を実施予定です!古着子供服専門ネット通販の業務、という基本テーマは変わりませんが、業務内容はパワーアップします! より子どもたちが自分の強みや弱みに気づきながら、働くことの大変さや楽しさを知りながら、気づいたら一回りも二回りも成長していけるような、そんなプログラムにしていきたいと思います。

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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