発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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TEENSニュースレター創刊 Q&A「発達障害のある子 高校受験をどう乗り越える?」他2015年2月号

  1. TEENSニュースレター創刊
  2. 特集 子どもの発達障害
  3. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース
  4. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします

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1. TEENSニュースレター創刊

Kaienのニュースレターでも触れさせていただいたように、今月号から、概ね18歳までの子どもの発達障害*に特化したニュースレターを発行することにしました。このTEENSニュースレターでは、よりご家族・親御様の目線に立って、学校選びや勉強、コミュニケーションや社会スキル、そして将来の就職や自立に向けた情報を配信してまいります。

本ニュースレターへの新規登録はウェブサイトで行えます。お知り合いでご興味のある方がいましたらぜひ以下のページをご紹介ください。なお、今後過去のニュースレターもウェブサイトで読むことができるようにしてまいります。

<リンク>

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2. 特集 子どもの発達障害

今月からTEENSのウェブサイトがモバイル対応。スマートフォンやタブレットなどで快適にご覧いただけるようになりました。写真や図など視覚的にもわかりやすいサイトを目指してまいります。

加えて文章内容も充実。子どもの発達障害の特徴や対応を深く、かつ、わかりやすく解説したサイトが見当たらないことから、TEENSのサイトに特集コーナーを設けて記事を増やしていくことになりました。それが「特集 子どもの発達障害」です。現在までに、概要、乳幼児の発達障害、小学生の発達障害、中学生の発達障害、高校生の発達障害と、まずは年齢別にページをアップしています。

<リンク>

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3. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース

このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『ADHD薬は子どもの脳を”正常”に変えられるのか?』、『乳児における頻繁な目の動きは自閉症に関係する』、『啓発団体Autism Speaksが(はしか)ワクチンの接種を訴え』の3本です。

①ニューヨークタイムズ 『ADHD薬は子どもの脳を”正常”に変えられるのか?』

Can Attention Deficit Drugs ‘Normalize’ a Child’s Brain?

記事によると米国では現在640万人の子どもがADHDと診断され、そのうち3人に2人に当たる400万人がADHD薬を服用しているとのことです。日本でもここ数年、ヤンセンファーマ社(ジョンソン・エンド・ジョンソン グループ)のコンサータと、イーライリリー社のストラテラの2つがマーケティング合戦を行っており、服薬されているお子さんが本当に増えていると思います。TEENSに通っているお子さんでも相当数が服薬中です。

記事でもあるように短期的には効果があるというのはご家族もご本人も実感できる場合が多いようです。しかし長期にわたった時にどの程度良い意味でも悪い意味でも影響があるのかはまだよくわかっていないようです。記事はADHD薬へ否定的だった医師が、最近少なくとも議論をするようになったというストーリーから始まっています。「薬を飲み続けると、”正常”な脳になる」という研究が出てきているからだとのことです。

この薬を飲み続けると短期的に効果があるだけでなく長期的にも脳が変容していくという研究結果に対しては医学会で様々な見解が出されています。MITのある研究者は賛同するなか、カリフォルニア大学の研究者は否定的(薬の副作用というよりも、ポジティブな効果が薬では見えにくいという意味での否定的)など大きく意見が分かれていると紹介されています。

議論の中心になるのは、ADHD研究のカギとなっている脳内物質ドーパミン、ノルアドレナリンの分泌が薬が切れても続き、集中が保たれる状況が維持されるのかが、だとのことです。加えて、多くのご家族が気にされる副作用についても研究報告が出てきており、ADHD薬を投与していると、薬が次第に効きにくくなったり、かえって症状が強くなったりするケースもあるということです。このようになんとも正反対の主張がされており、少なくとも特効薬的なものではないことは明らかのようです。

記事では、最後にADHDの症状改善が進んだ人のうち、80%が薬ではなく家族や周囲からの理解などを挙げていて、薬を挙げた人はごく少数にとどまったことが指摘されています。実際ADHDの多動性は大人になるにつれて軽減するという研究も出ていますし、実際に現場にいても大人になった時のADHDは子どものそれとは異なります。

なお、米国では日本よりも発達障害の中の区分をきちんと分けます。このため記事ではADHDやLD、ASD(自閉スペクトラム症)のうち、ADHDだけが触れられていました。

②BBC 『乳児における頻繁な目の動きは自閉症に関係する』

Babies with frequent eye movements linked to autism

BBCによるリポート。発達障害では早期発見、早期療育が肝です。Kaien/TEENSでは学齢期のお子さん以上にサービスを提供していますし、早期発見をしても継続した支援が必要なのですが、やはり早期発見が大きな効果を生むことは再確認したいところです。BBCのリポートでは、早期発見に活用が見込まれるアイトラッカー(視線を確認する装置)について紹介されています。具体的には通常1秒間に2回、乳児の目は動くらしいのですが、これが3回の場合は自閉症のケースが多くなるようです。ただし、このアイトラッキングだけで診断が確定するわけでは全くなく、一つの示唆として今後活用が期待されるとのことです。

③Medical Daily 『啓発団体Autism Speaksが(はしか)ワクチンの接種を訴え』

Advocacy group ‘Autism Speaks’ urges parents to vaccinate their kids

現在北米でははしかの大流行が見られるとのこと。当局が予防接種を呼びかけているそうですが、「自閉症は予防接種由来」と考える北米人はかなり多く、予防接種を受けさせない親が顕在化しています。このニュースはその非科学性をといています。自閉症とワクチンが関係するという考えは、一時相当の”人気を博した”仮説でしたが、すでに学問的にはまったく関係がないことが複数の研究で示されていて、結論が着いています。しかし、米国ではまだこの議論は続いており、そういった誤解がほとんどない日本からみると、不思議な感じがします。実は発達障害などの研究や理解は欧米が進んでいると考える方もいると思いますが、日本のほうが進んでいることも多く、一概に言えないと思っています。

 

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4. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします

代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にTEENSスタッフ飯島と鈴木がお答えします。

<子どもの発達障害>

Q1. 区立の小学校、普通学級へ入学しました。さまざまな困難、トラブルを必死に乗り越えてきました。でも最近、親の私が乗り越えられない状態で苦しいです。助けてほしいです。

当社ではご家族との連携を重視しています。やはり親御様が安定することが何よりもお子様には影響が多いからです。療育や薬と言っても親が不安定になってしまっては元も子もありません。もちろん誰よりもご本人に接する時間が長いのが親御様。レスパイト(乳幼児や障害児者、高齢者などの支援をしているご家族を癒すため、一時的にケアを代替し、リフレッシュを図ってもらうこと)としても外部の支援機関を活用されるとよいと思います。つまりご本人のためだけに使うというよりも、それによって親御様にも様々な負担が軽減されるという意味合いでご利用いただくということです。

Q2. 来年度、高校受験なので、勉強をどうしていったらいいかと思っています。

一人一人によって対策は異なりますが、TEENSでは3つを大切にしています。

まず一つ目は志望校を吟味することです。必要な支援が受けられ、お子様ご自身が興味をもてるような学校を選ぶことが重要です。「頑張って受かったら、あの学校に通える」という気持ちが、受験勉強のモチベーションに繋がります。あまり自分の意思を表出しないタイプのお子様ですと、親御さんだけが見学や説明会に行って志望校を決めてしまう場合がありますが、これはできる限り避けましょう。明確に行きたい学校像を示すのが難しいお子様には、複数の学校の情報を提示した上で、どれがよいかを自分で選べるようにしてあげてください。

二つ目は学習の計画を立てることです。発達障害児は先の見通しをもちながら計画を立てることを苦手としています。また、どの教科から勉強してよいか分からずに得意科目だけに取り組むお子様もいらっしゃいます。そのため、(1)どの科目の(2)どの部分を(3)どの教材を使って(4)どのくらいのペースで(5)何を目標に、取り組んでいくのかを明確にしてあげましょう。予定通りいかなかった場合に追い詰められたりすることがないよう、ゆとりをもった計画にすることと、予定通りいかなかった場合の対処法を併せて教えてあげることが大切です。

三つ目は、「受からなかった場合」の話もきちんとすることです。根が真面目なタイプの多い発達障害児は、受験に失敗すると必要以上に自分を追いつめてしまうことがあります。第一志望に受からなかった場合に備えて余裕のある滑り止め校を設定しておくこと、またその学校のよさもきちんと共有しておくことが大事です。

高校受験は大変なものですが、乗り越えられればお子様にとって大きな自信につながります。全てを本人任せにしたり、焦って追いつめられるような状況にならないように配慮していきましょう。

なお、TEENSでは「かなり学力的にゆとりのある高校に入って、推薦入試を狙っていく」ことを多くのお子様にお勧めしています。一般勝負が苦手だったり、高校に入って暗記術だけでない応用力が問われたりするときに苦戦するお子様が多いため、推薦入試を選択肢として持てるほうが良いと思っているからです。一般論にすぎませんがご参考にされてください。

<TEENSでのサービスについて>

Q3. 高卒認定資格取得の勉強をしていただけるのか。

はい、もちろん可能です。TEENSの放課後等デイサービスは原則として2~3名のお子様にスタッフが1名つく形態となっております。‘自立的に学習をすすめるためのノウハウ’を教えることに重きを置いており、ゆっくりと解法を解説するためのお時間は全体の半分程度になります。なお必要教材はご利用者様にご用意頂いていますが、TEENSでアドバイスさせていただけますので、ご相談ください。

また、完全な個別指導をご希望の場合は、個別指導「受験科」のご利用をおすすめします。こちらは受験生に特化したプログラムになっており、お子様の特性に合せた学習プランを提示し、目標到達に向けて一人一人に合わせた解法解説をしていきます。

Q4. 学習支援はサービス受給者証は使えますか?

はい。学習支援・お仕事体験ともに(行政が発行する、福祉サービスを利用するための)障害福祉サービス受給者証をご利用いただけます。

Q5. 現在は個別療育を受けていますが、集団指示に従う等の基礎的な力がついてきたので次のステップとしてTEENSのサービスを検討しています。

利用をご検討いただきまして誠にありがとうございます。個別療育後の次のステップとしてTEENSのお仕事体験をご利用いただいているお客様は多数いらっしゃいます。お子様が小学校低学年の場合は「プレティーンズ」という「お仕事体験一般コース」を低年齢向けにアレンジしたコースもございますので是非ご検討ください。

なお、お仕事体験はお子様によってはあまり合わない方もいらっしゃいます。利用前にご確認いただけるよう、無料の体験セッションを開催しておりますのでどうぞ利用ください。

Q6. cafeのプログラムに興味があります。KODOMO福やコンサルTEENSを経てからでないとcafeに参加は難しいでしょうか。児童本人は愛の手帳4度、小学校6年間公立小学校普通級で過ごし、2学期の成績では半分ほどの項目に3段階評価のよいがついている状況です。

cafe TEENSのプログラムからご参加頂くことももちろん可能です。プログラム内容は3~4カ月を目途に変更しており、1年お通い頂ければご利用コース内の全プログラムにご参加頂くことができます。次年以降はプログラムの大枠は同じのまま内容を若干変えつつ、前年からの成長を評価していく形となります。

TEENSで行っているプログラムにはそれぞれ特色と異なった目的があります。KODOMO福では「マニュアルに従って行動すること」、コンサルTEENSでは「段取りをつけて行動すること」、そしてcafe TEENSでは「お客様の前での振る舞い方を知ること」を目標としています。また、「コミュニケーション力と段取り力をつけ、自尊心を高めていく」という目的は全てのプログラムの基本となっています。難易度についてはお子様のレベルに合せて課題量を増減するなど適宜対応してまいりますので、年度の途中でも安心してご参加頂ければと思います。

今回ご相談いただいた方のお子様(知的水準や集団行動力)であれば、お仕事体験一般コースに問題なくお通い頂けると思われます。体験セッションの実施しておりますので、気軽にご参加ください。

なお、お仕事体験の対象者詳細については以下のリンク先(TEENS一般コース)下部にございます「対象のお子様」をご参照ください。

Q7. 現在、学校へは行ったり行かなかったりです。春から中学生男子です。学校に慣れるまでも時間がかかりそうですが、週末体験に興味をもっています。

たしかに不安定な状態ですと色々なことが新しく始まるタイミングである春は若干避けたほうが良いかもしれません。折角のやる気・興味を台無しにしないためです。落ち着いた時期にTEENSにつながれるとよいかと思います。ただし「待機」の状態になっていないと、ご本人が通える状態になっても、枠があくまでお待ちいただくことになりかねません。早めに利用説明会などにお越しください。利用説明会は基本的に親御様だけがご来場いただいていますので、お子様の状態にかかわらずに参加いただけます。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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