ルールや勝ち負けへのこだわりが強く、負けると興奮して怒ったり、周囲のお子さんとのコミュニケーションがうまくいかない・・・学校など所属する組織での人間関係に悩まれる親御さんの声をよく聴きます。
今回は、想定と異なる状況や結果の受け入れの難しさから興奮しやすかったお子さんが他者目線を獲得していくことで、自分から配慮や環境を選んで次のステップへ進むことができた、ティーンズ三鷹の実際のケースをご紹介します。
このお子さん、ティーンズは小学生から利用を開始していました。
当初は、自分が納得できない状況で気持ちのコントロールが難しかったり、相手に強い言葉で対応したり、同年代との関わりに課題があったため「自分の意に反した事でも受け入れ、切り替えができるようになる」「周囲が不快に感じる言動の表出を減らしていく」ことが目標でした。
興奮のしやすさについては服薬も併用しつつ、主にスタッフとのゲームを通じて「相手も自分も楽しいゲームだったか」を点数化して振り返ること繰り返し、他者目線を意識する経験を重ねました。
中学生になると、毎回違うテーマでクイズを出題したり、イベントなどで発表したりする中で「相手が楽しめるか」「自分の意図や気持ちが伝わる説明か」について主体的に考え、決められた枠組みの中では、目的を意識して自分の言動をコントロールできできるようになりました。
一方で、学校生活など価値観の異なる人が集まる場では、ルールに対する解釈も様々で、相手の言動を受け入れることは、まだ難しいようでした。この点は高校生時代に、勝ち負けではなく相手と意識を合わせることを目的とした「コミュニケーションゲーム」を行うことによって、「勝たなくても楽しい」と思えるように成長しています。
高校入学当時、対人面で相手の気持ちに気づかないことによるトラブルが生じました。
しかしトラブルを振り返ることが、自分にとって何がストレスになるか、どうすればストレスを避けられるか、自分が使えるストレス解消法は何か、について考え、自己理解を深めることにつながりました。3年生になると、本人から合理的配慮について知りたいという申し出がありました。
改めてストレス要因を洗い出し、「解答用紙から文字がはみ出す」「(ルールを守らないなど)気になる受験生が視界に入る」というストレスを軽減するための配慮を自分で申請することができました。
最終的に、無事大学に合格、自分の苦手を相談しながら新生活をスタートすることができています。
こちらのケースのように、ご本人との対話を通して視点や意識、選択肢が広がる関わりを継続することで、お子さんご自身の自己理解と選択をサポートできるティーンズであり続けたいと改めて感じています。
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