「特性に理解のある学校の情報が欲しい」というお子さん・保護者に向けて、ティーンズがおすすめしたい学校情報をお届けします!
第9回となる今回は、明蓬館高等学校 品川・御殿山SNECの理事 吉田敏明先生にお話を伺いました。インタビューを通して、明蓬館高等学校の教育内容やサポート体制について深く掘り下げ、発達障害があるお子さんを持つ親御さんが知りたい情報をお届けします。
「スペシャルニーザー」へのサポート体制
一生の宝物になる本校スクーリング
卒業後のサポート体制・ほか
学校名 | 明蓬館高等学校 品川・御殿山SNEC |
所在地 | 〒141-0001 東京都品川区北品川6-7-22 2F |
ウェブサイト | https://at-mhk.com/center/shinagawa/ |
―――明蓬館高等学校は、ホームページを見ると4つのコース※がありますね。こちらの品川・御殿山の学習センターは、SNEC(スペシャルニーズ)というコースですが、その特徴を教えてください。
※ 4つのコース:MNEC(通信制ベーシックコース)、バレエダンサーコース、SNEC(スペシャルニーズ)、STEC(自立訓練)
吉田先生 私たちの学校の最大の特徴は、生徒一人ひとりのペースに合わせた学習環境を提供していることです。全国に30箇所以上の学習センターがあり、また単位制を採用しているため、それぞれの生徒が自分のペースで学習を進められます。
「SNEC(すねっく)」は「スペシャルニーズ・エデュケーションセンター」の頭文字です。発達障害を持った生徒のための特別支援教育コースで、支援員と相談員の担当が一人ひとりにつくので自分のペースで相談しながら安心して学べる環境をご提供しています。
―――「ネット授業で24時間いつでもどこでも参加できる」「習熟度別のパーソナルな指導」という通信制のメリットに加えて、SNECでは週1日~週4日など一人ひとりにあわせて学習センターに通う日数を選べるのもすばらしいですね。
吉田先生 発達障害の傾向や特徴への理解を得られないために、学校生活において二次障害を発症してしまう方がいらっしゃる。そんな課題意識から開校した学校ですので、他校からの転入学者、編入学者も多くいらしていただいています。
―――「発達障害を持つ「特別な注文主(スペシャルニーザー)」の生徒が明蓬館高等学校SNECを選んでいます。」と紹介されていました。どのようなサポート体制を取られているのでしょうか?
吉田先生 明蓬館高等学校では教える専門家である「教員」だけでなく、公認心理師・臨床心理士などの心理の専門資格を持つ「相談員(スクールカウンセラー)」、福祉系の知識とスキルを身につけている「支援員」がチームで生徒をサポートしています。
異なるスキルを持つ先生たちがなんで必要なの?と言われることもしばしばあります。「特別な注文主」は未来の自分に注文する人たちのことを指しています。発達障害などの理由から未来のジブンにうまく注文を出していくことができなかった生徒たちが未来の自分に注文を出す計画を立て、その動機を維持できるように支えていく、一緒に支援と伴走をしてく学校、それが明蓬館高等学校です。でも1人の力だけだと足りないこともあるかもしれません。また一つの視点だけではその子の良さは見えないかもしれません。だからこそ当校ではチームで生徒一人ひとりを応援しています。
一人ひとりの特徴を把握するために、信頼性の高い複数の心理検査なども参考に教育支援計画・指導計画を作成するので、例えば、ASDの生徒さんには視覚的な教材を提案したり、ADHDの生徒さんには集中しやすい環境の工夫の仕方をを提案したりと、それぞれの特性に合ったサポートを工夫していくことができます。
さらに、相談員によるココロプラス(心の健康教育)のプログラムも用意しており、学習面だけでなく、社会性の向上もサポートしています。
―――専門家チームが一人ひとりの生徒(とそのご家族)をサポートする体制は素晴らしいですね。吉田先生は教育学修士で公認心理師も取得されていらっしゃる。名刺に「おもちゃコンサルタント」とありましたが、こちらの教室にボードゲームやマンガが充実しているのは先生が中心になってご用意されているのですか?
吉田先生 そうですねこの教室にある9割のボードゲームやマンガは今まで心理職をしてきた中で個人的に購入し集めてきたものです。最近はあまりしていませんが、アナログゲームを使ったコミュニケーショントレーニングやグループワークなどもよく実践していました。
おもちゃコンサルタントはおもちゃについてより自分自身が理解しようと思った時に取った資格です。心理の専門家としてお話をするよりも「おもちゃコンサルタント」としてお話をする方がやわらかくお話を聞いてもらえるので、とても私は大好きな資格です。
明蓬館高等学校に入職して、1つのセンターを任されるようになったときに、生徒を迎え入れるのであればこういうエントランスにしたいと思い、教室に持ってきて置いてあります。都内の他の通信制高校も見学に行かせてもらったりしましたが、やはり「学校」という雰囲気の教室が多く、ほとんどの方はそういった雰囲気を好むのだと思います。しかしながら、私はそういった雰囲気は入りにくさや、落ち着かなさを感じてしまうことが多くありました。そういった学校がたくさんあるのであれば、ちょっと自分の部屋みたい。親近感が持てるような雰囲気の学校があった方が良いかなと思い、こういうレイアウトにしています。実は施設の中でエントランスが生徒だけではなく、保護者の方にも人気のエリアです。コミュニケーションが苦手な生徒たちも多く在籍しているので、コミュニケーションのきっかけを作りやすいアナログゲームや精神科等でソーシャルスキルトレーニングでも使っていたアナログゲームなどを持ってきて置いています。
―――生徒だけでなく保護者の方にも人気のエリアというのはとてもよくわかります! 場の「雰囲気」はとても大切ですね。
話は変わりますが、先日ティーンズ御茶ノ水をご利用のお子さんの学校でのご様子をお伺いした戸澤先生(公認心理師・臨床心理士)は、大学院生のときにティーンズ御茶ノ水でインターンをされていたこともあり、ティーンズでの支援について貴重なアドバイスをいただくことができました。
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