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発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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ゲームで育む“しごとの力”~秋のイベント『ドミノクエスト』のこだわり~

2015年10月29日

TEENS新宿インターンの本多です。今回は、11月3日(祝・火)に行うTEENS初!のゲーム形式のイベント、『ドミノクエスト』のこだわりについてお伝えいたします。

多様な職場だからこそ作り出せた革新的なイベント

TEENSの職場では、とても多様なバックグラウンドを兼ね備えたスタッフが来ています。そして、そのようなスタッフの多様性を活かした環境がフルタイムだけでなく、インターン生に対しても整っています。

11月3日(祝・火)に行われるイベントは、TEENSのインターン生が主役となり立案から行ったものです。私自身はARG(現実代替えゲーム 現実世界に物語を入れ込んだゲーム)×教育を強みとして、企画立案を行い、美術系の大学に通うインターン生はイベントの空間づくりをデザインしたり、その自由な発想の中、発達障害*の支援の専門家であるフルタイムがさらにアドバイスをすることで、TEENSの多様性を活かすプラットフォームの仕方で今回のサービスを自由に作り出すことが出来ました。

ゲームの中に散りばめられたTEENSらしさ

今回のイベントでは、会場の装飾や演出を極限までこだわり、お子さんたちを物語の中に入り込んでもらいます。その物語のクエスト(ゲーム)を「楽しみながら」クリアする中で、TEENSがお子さんに与える価値、“しごとの力”の源泉である、コミュニケーション、段取り、自尊心を養っていく仕掛けを施しています。

リハーサルの様子。スタッフ同士が自由に意見しあい、ゲームをよりクリエイティブにしています。
手先が不器用なお子さんが多いTEENSでは、ドミノ碑を使うのではなく、倒れにくいジェンガを用います。
これも試行錯誤の中、インターン生の中からアイディアが生まれてきました。

 

ゲームというプラットフォームだからこそ、お互いに協力しやすい環境を作り、“コミュニケーション”が活発になります。クエストも協力を必須とする内容となっており、ゲームをクリアするために自然とチームワークを学んでいきます。さらに、クエストはただ協力すればいいというものでもありません。メンバーで話し合い、どのような作戦を組めば、クエストをクリアできるかチームで計画立てし、役割分担する必要性があります。こうして、“段取り力”を養っていきます。最後に、失敗を恐れる心配も失敗して不安になるというよりは「悔しい!どうしたらもっとうまくなるかな」と楽しみながら前を向く“自尊心”、その後成功体験を積むことによる自信を養います。なかなか成功体験を積みにくい発達障害のお子さんには、安心できるプラットフォーム上でトレーニングをするとてもいい環境となります。

■ドミノクエストが誕生したワケ

このゲームはもともとはTEENSが放課後等デイサービスの枠内で独自に作成して、週末に実施しているプログラム「お仕事体験」の仕事前に行う“アイスブレイキング”から生まれたものでした。この時間では、インターン生が中心となって、発達障害の方向けのゲームを独自に作成して実施していきます。私は、来月でTEENSで働きだして3年がたちますが、ゲームは(もちろん子ども(特に小学生)全般にウケが良いですが)特に発達障害のお子さんには、経験上とてもウケが良いです。これは、①目的がはっきりして何をすればいいのかわかること②ルールが具体的に明示されていて、世界が矛盾のない理路整然(単純な世界)となっていることの2つが大きな要因になっていると思います。現実の世界、特に仕事では、目的はインタラクティブなコミュニケーションの中で逐一変わっていきますし、ルールが人によって異なってしまっていたりして、どうしても柔軟な姿勢が求められがちです。こうして、TEENSでは、独自に60個以上の発達障害の方向けのアイスブレイキング開発も同時に行っています。

■最後に

TEENSとしては、新宿・横浜・御茶ノ水初の3拠点合同イベントで、予想を上回る申し込みをいただき、当日は50名ほどのお子さんが集まりクエストを行う予定です。すでにクエスト内容はできており、テストプレイしている様子ではお子さんたちもわいわいと盛り上がっている様子でした。ゲームだけではなく、演出やスタッフによる寸劇もあるとのこと?!当日が楽しみですね。ご期待です:)

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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