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発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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診断・特性を受け止めてほしい 親の想いを叶えるプログラム/当事者としての思いも乗せて/ナビゲーターインタビュー

先月のニュースレターで「じぶん研究講座~あなたは何派?~」の企画担当・高橋のインタビューをお届けしました。

今回は、ナビゲーターを担当した野田が登場です。お子さんからはお兄さん的な存在として、「けーすけさん」の愛称で親しまれています。野田は講座内で、自身が当事者であることもお話しながら、参加したお子さんたちとやりとりしています。講座を通して、どんなことを伝え、感じてもらいたかったのか、また、現在の講座の様子についても聞きました。

ーじぶん研究講座でナビゲーターを務めるきっかけは?

野田)入社してからずっと、障害や特性をオープンにした企画をやりたいと思っていました。それは、小さな時から「自分だけ?」と感じたことに一人思い悩んだ経験があって、お子さんにとって、そんな話題を自然に語れる場を作りたかったからです。

ー講座ではナビゲーターの役割をどのように考えていましたか。

野田)企画担当の高橋と発達障害*の捉え方や講座の目指すところなどについて議論を重ねました。「発達障害」という言葉の認知が広がってきましたが、やはり名称のインパクトから重く捉える方もいらっしゃいます。もちろん正しく受け止めることが大切なのですが、私は、重すぎず、深刻すぎず、でも軽すぎず。自身の特性に対して向き合えるような形で伝えたいと考えています。それは当事者である私自身の経験からでもあるのですが、よりフラットに受け入れてもらいたいという思いからでした。

ーTEENSとしても長期講座は初めての試みでした。

野田)全8回のプログラムでしたが、最初の入り方がとても大切だと感じていました。第1回の前のオンラインのオリエンテーションがその場でした。講座の説明や自己理解への問いかけなどをはじめ、「少数派」をキーワードに困り感や障害についての話を進めていくと、徐々にチャットでのやり取りが広がっていきました。

印象深かったことがありました。画面オフでの参加者が多かったのですが、最後には画面をオンにして手を振って挨拶をしてくれるお子さんたちの輪が広がっていったんです。この講座の感触や進む方向性が見えてきたと感じた瞬間でした。

ー講座で特に意識していたことは何ですか?

野田)「主役はみんな、自分は司会者」というスタンスです。こちらから教えるという一方的な形でなくて、自分を通してお子さん同士のコミュニケーションが広がったり、気づきを得られたり、そんな場になるような立ち位置を意識していました。

また、発達障害が話題になった時には、「障害は恐れるものではない」という思いも伝わるようにと考えていました。みんなの共感が広がり、深まるように心がけました。

ー講座ではご自身の特性についても発信しています。

野田)はい。私は大人になってからADHD(注意欠如・多動症)の診断を受けました。小さいころから何かうまくいかないという違和感があったのですが、それを周りに知られたくなくて、普通になりたいとずっと思っていました。苦しい状況が続いて体調を壊して引きこもったり、信頼していた人に特性を指摘されて自暴自棄になったり、いろいろなことに疲れて死にたいと思ったこともありました。

ずっと一人で抱え込んでいたのですが、初めて相談した人たちとのやり取りを通して、自分の考えていた世界の狭さに気づくことができました。これは雷に打たれたような経験で、自分の考え方を大きく変えてくれたんです。
この経験は辛いものでしたが、その分、「自分の特性の受け止め方」や「物事の捉え方」「失敗への考え方」などお子さんたちに伝えられるものがたくさんあると思っています

実は初日のオリエンテーションではPCと充電器を忘れ、まさに自分の特性を実感しながらの幕開けでした。今も日常生活でうまくいっていないことがあります。もちろん、参加者のみんなにも伝えました(笑)

ー講座でのお子さんの反応はどうでしたか?

野田)私自身のことについては、「けーすけさんもそうなんだ!」「私と一緒!」「仲間だ!」など、お子さんとのつながりを感じてもらえたように思います。

講座では毎回、「少数派」をキーワードに「友達との付き合い方」「得意・不得意な授業」「忘れ物どうしてる?」など異なる日常のテーマを取り扱いました。回を重ねるごとにお子さんからの発信が増えていきました。最大70人ほどの大人数になることもあり、多くの声をどう受け止めるのか心配しましたが、どの声やどのチャットからもいわゆる`あらし`の言葉はなく、物事を平和的に受け取ってコミュニケーションをとる雰囲気を参加者の皆さんが作ってくれました

ー親御さんの反応はいかがでしたか?

野田)特別講座終了後に保護者会がありました。「なかなか親子で話せなかった内容を、講座という共通の話題を通して伝えてくれました」「本人から聴覚が過敏だという話を聞いて驚きました」「夏休みはいつも遊んでばかりでしたが、講座のおかげで学びの機会が増えました」などという評価をいただき、「やってよかった・・・!!!」と心の底から感じています。

ー9月以降のじぶん研究講座の雰囲気はいかがですか。

野田)変わらずよい空気感でできているのではと思っています。今後は学校や家庭など日常の話題からLGBTQなど社会にあるテーマもとりあげます。それぞれを自分に当てはめながら、様々な世界に触れてもらいたいです。悩んでいる人も安心して来てもらえる場所になっていると思います。

概要

  • 「じぶん研究講座」
  • 日 程:毎月第2、4金曜 20:00~20:45
  • 対 象:小学4年生~高校生(診断の有無は問いません)
  • 料 金:月額10,780円(税込み)
    ※「じぶん研究講座」だけでなく平日毎日開催のTEENSのオンライン講座も併せてご利用いただけます
  • 詳細・申し込み:こちらから

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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