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HOMEスタッフブログ千葉県市川市「橘学院高等部」| 発達障害に理解のある学校 インタビュー特集 vol.001

千葉県市川市「橘学院高等部」| 発達障害に理解のある学校 インタビュー特集 vol.001

本当の達成感を味わえるように、ひとりひとりに合わせた学習教材を用意しています

雨宮先生 塾はその頃終了して、不登校とか、発達障害の子のサポートにシフトしていき、知人と連携をとりながらさくら国際高等学校(http://www.sakura-kokusai.ed.jp/)の市川キャンパスとして橘学院高等部をスタートしました。

大橋 通信制の学校として、本格的に発達に凸凹のあるお子さんの教育体制を整えていったというわけですね。そのとき、なにか工夫されたことはありますか?

雨宮先生 はい。普通の通信制の学校だと、学校で決めた教材があるんですよね。英語はどんなに英語ができなくても、高校の英語は高校の英語。でも、中学校の英語を全然やっていない子が、できるはずがないんですよね。

通常ですと、多分面倒くさいからそのまま答えを教えてしまったりするんでしょうけど、やっぱりそれは彼らのプライドを傷つけますし、本当の達成感というのは味わえません。発達障害の子たちは素直で真面目だから、ズルしてしまったって感じてしまうと思うんです。それでは意味もないし、むしろマイナスになってしまいます。

だからうちでは、その子の不得意な部分についてはその子にあわせたプリント、教材を用意しています。すごく英語が不得意なら、普通の高校のレポートを使うのではなく、アルファベットとか、日常で使うような単語とか…この子はこれくらいまでできるでしょうとアセスメントして、保護者とも相談しながらその子にあったプリントを用意していきます。

その時に気を付けなければいけないと思っているのは、高校の勉強をしているんだよ、とその子に説明することですね。じゃないと、自信を失ってしまうから。君はこういうのは苦手だけど、こういう学び方は得意だからね、と働きかけて自信をもってもらいながら、高校生として勉強してもらえるような意識をもってもらえるように心がける。

大橋 気持ちの面を考えつつ、その子にあったサポートをしているということですね。

雨宮先生 はい。通信制高校は何枚レポートをだすというのが決まっていますから。内容は同じ、というのが基本ですが。うちはその子にあわせた教材を用意して、評価も設定した目標を達成すればOKとしています。はたから見たら易しいよね、という内容でもその子にとっては自分にチャレンジした内容で、それを達成していたら、それが一番の学びなんです。

なので、勉強で、うちの学校でできない、って子はひとりもいません。

上下関係ではない横や縦のつながりを、きめ細やかにサポート

大橋 生徒は何人くらいいて、発達凸凹のある子はどれくらいいますか?

雨宮先生 人数は、ひと学年大体10名くらいの少人数制です。その中で、肌感覚としては8割くらいの子は発達障害ですね。診断されている子は半分くらいですけど、発達の凸凹から困り感を感じている子は多いです。

募集する際は、「不登校の経験をした人」ということで募集しています。面接だけです。学力試験はありません。「高校を卒業したい」という意思があれば年齢に関係なく出願できます。

大橋 なるほど。そういう子どもたちが学びやすい環境を作るために、何か工夫されていることはありますか?

雨宮先生 はい。すごく意識しているのは、自然に良い人間関係が構築されていくような環境ですよね。

高校なので、必要なレポートというのはすべてやらなきゃいけないんですが、それ以外に、音楽ならバイオリン、合唱とか、あるいはパソコンとか、書道、美術、デジタルカメラの授業、小麦粉でパンフラワーを作ったり、ヨガをしてみたり…というように、実技の授業をふんだんにとりいれているんです。そして、これらは、学年関係なくみんなで集まってやります。そこで、人との関係を育んでいきます。

大橋 高校1年生から3年生まで、みんなで授業を受けるということですかね?

雨宮先生 そうなんです。うちの学校では、学校生活でなかなかうまくいかなかった子たちが高校1年で入学していきますが。で、先輩である2、3年生もそういう経験のあった子たちのばかりだから、1年生に声をかけにいってくれるんですよね。

そこで、上下関係ではない横や縦のつながりができていきます。休みの日、どこか行こうねとか。勉強のわからないところを教え合ったりとか。友達になりやすいんです。

でも、これらも強制するわけではもちろんありません。いろんなタイプの子がいますからね。俺は友達になりたくない、ひとりでいたいというのももちろんOKで、そういう子たちにとってもいやすい雰囲気というのは心がけていますね。

あとは先輩たちも、新入生が入ったときに改めて自分たちの立ち位置を考えながらコミュニケーションをとっていくの力が育まれるんです。相互関係なんですよね。後輩と接する中で、学べることはたくさんあります。

大橋 なるほど。先輩たちが自立的に後輩のことを気にかけていく雰囲気できているんですね。

雨宮先生 はい。そして、ぼくら教師もそれを生徒任せにするのではなく、できるだけ実態を把握をするようにしています。誰と誰が繋がっているとか、そこで何か問題が起きそうだというようなことを感じたらすぐに介入できるように。

というのも、やはりもともと人間関係を築くことが苦手な子どもたちなんですよね。たとえば、休みでどっか行こうみたいにLINEでつながってやりとりしているでしょう。そういうところでトラブルが生まれることもある。誰かを除いたLINEグループを作るとかね。そういうのはなしだよ、と。誰かが仲間外れにされているというような気持にならないようにというような指導をしています。

そういうのを把握していくために、先生たちも子どもたちとはこまめにコミュニケーションをとるようにしているんですよ。だから、異変にすぐ気づけるようになっているんです。

1年生のときは特にそういうのに気をつけていくと、2,3年生には随分自立して考えられるようになったりします。

大橋 1年生のときの働きかけがやはり重要ですか?

雨宮先生 はい。特に、最初の一週間がとても大切です。彼らは真面目なので、最初の一週間、すごく一生懸命登校するんですよ。だから私たちもそこのサポートを全力を傾けていますね。もし一週間経った後登校できなくなるようなことがあれば、それは我々の責任だと思っています。

 

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