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発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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聴覚過敏のてつおくん 学校で快適に過ごすための3つのスキル

これであなたもパワーアップ!日々のバトルを生き抜く”セルフアドボカシー”講座

苦労や悩み多き子どもたちにセルフアドボカシーのスキル(自分を活かす交渉術)と行動力を授けるシリーズ。

第1回はASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー)の子に多い『聴覚過敏(ちょうかくかびん)』にまつわるトラブルの対処法を紹介します。

発達凸凹 小中高生のための「合理的配慮」教室 一覧

昼休みの教室。みんながにぎやかに遊んでいるなか、てつお君が一人大好きな本を読み始めようとすると…

   .。oO(休み時間だ!昨日買ってもらった鉄道本でも読もう、っと)

 なあなあ、昨日のテレビ観たか?

 みたー!うそつきシロちゃんクイズおもしろかったよねー!

  .。oO(うるさいなあ)

  ねえ、しずかにしてくれない?君たち本当にうるさくてめいわくなんだけど

え、…そんなにうるさくなんてしてないのに…てつお君ひどいよ

 あー!てつお泣かしたー!いけねーんだー!

こらー!てつお!ハイパー君もあかりちゃんもうるさくなんてしてなかっただろう!いじわるを言うんじゃない!

  。oO(え、ふたりがうるさくしてたのは本当なのに、どうして僕が怒られるの?)

休憩時間はしずかに過ごしたいてつお君。うるさくしている人を注意しただけなのに、逆に怒られちゃった。こんなときはどうすればいいの?

 あら、てつお君。浮かない顔してどうしたの?

  飯島先生…ぼく、うるさい人にうるさいって言ったら怒られてしまって…納得いかないです。気持ちが苦しくなるくらい、ふたりはうるさかったのに…。

 なるほど~。てつお君は聴覚過敏(ちょうかくかびん)の傾向があるから、人より雑音が気になってしまうのかもしれないね

  え、他の人もうるさくは感じてないんですか?

 うん、今回はそうみたいね。てつお君は、他の人より敏感(びんかん)なんだと思うよ。繊細(せんさい)とも言えるね。

  そうなんだ…じゃあどうすればいいですか?僕、本当にがまんできないんです。

聴覚過敏だから他の人より敏感なてつお君。学校で快適に過ごすための3つのアドバイス

 大丈夫!方法はいくつかあるよ。

一番手っ取り早いのは、静かな場所に移動しちゃうことかな。学校なら図書室とか保健室がおすすめよ。「静かにする」ってルールの場所だったら、皆さわがしくすることはないし、例えうるさい人がいてもその場所を管理している人が注意してくれるわ。

  ううん…昼休みはいいけど、短い休憩の時は時間が足りなさそうだなあ…

 じゃあ、イヤーマフやノイズキャンセラーつきイヤホンを使うのもいいわね。雑音を遮断することができるし、場所も移動しなくていいからてつお君の好きな場所で過ごせるわ。

  なるほど、それはいいですね!では早速今日ヨドバシカメラに買いに行きます。

 うん。でもひとつ注意点があって、イヤーマフやイヤホンをつけることはマナー違反だ!って感じる人も世の中にいるの。視力の弱い人がメガネをかけるのと同じなのに不思議だなあとは先生も思うけど、聴覚過敏はまだまだ世の中に知られていないから仕方がないわね。

だから、こういう道具を使う時は事前に先生に事情を説明して許可をとっておけるといい。その時には、てつお君からだけじゃなくて、てつお君の保護者の方からも説明してもらえるといいわね。

  わかりました。じゃあ帰ったらまずお母さんに相談してみます。

 イライラして相手を怒ってしまって「てつお君は怖い人だ」なんて誤解(ごかい)を受けたらもったいないからね。どうしても相手に伝えたい場合は、別の人に間にはいってもらうか、「ボリュームを下げていただけますか」というように丁寧にお願いできた方がトラブルになりにくいわ。多くの場合は相手も悪気はないから、「うるさい」とか「迷惑」とかっていうマイナスイメージのある言葉は使わないほうが得策よ。

  • ポイント①図書館や保健室など、静かな場所に移動しちゃおう!
  • ポイント②イヤーマフやノイズキャンセラーつきイヤホンを使おう!でも先生に事前相談はお忘れなく
  • ポイント③どうしても相手に伝えたい場合は、別の人に間にはいってもらってトラブルを避けよう。

キーワード

聴覚過敏(ちょうかくかびん)
他の人が感じるよりも音を大きく感じたり、必要以上に雑音や話し声を拾ってしまう症状のことをいいます。

イヤーマフ

耳全体を覆うタイプの防音保護具。聞こえる音が少なくなったりマイルドになったりするので、聴覚過敏の人におすすめ。ちょっと重くて目立つのが難点。

発達凸凹の子のためのサバイバル・ガイド 一覧

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保護者の方へ
このページでは、発達凸凹のある子どもたちが自分の特性を理解・受容した上で、どのように社会に対して権利主張をしたり合理的配慮を求めればよいかをご紹介しています。子どもたちが生活の中で困り感を感じることがあった際に、参考にしてください。

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