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ニュースレター2018年7月号発達障害啓発にご活用ください【図表でわかる!】シリーズ 配信開始

  1. 発達障害啓発にご活用ください【図表でわかる!】シリーズ 配信開始
  2. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース 「ADHDの非薬品療法はエビデンス不足」他
  3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「グレーゾーンのお子さんへの支援」他

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1. 発達障害啓発にご活用ください【図表でわかる!】シリーズ 配信開始

発達障害の情報が溢れかえっている中、正しい情報をキャッチするのに疲れている保護者・先生方のために。発達障害シリーズ 発達障害の関する情報を3分程度でよめる文章と一枚の図でまとめる「【図表でわかる!】シリーズ 」の配信を開始しました。第一弾は『 発達障害 × 障害者手帳 』です。

ページ内の図は利用規約範囲内で転載・引用可です。発達障害啓発のためにご活用ください。

【図表でわかる!】発達障害と障害者手帳

2. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース 「ADHDの非薬品療法はエビデンス不足」他

このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『英ナショナル・オーティスティック・ソサエティーの動画「感覚情報過多」』、『ADHDの非薬品療法は信頼に足るエビデンスを欠く』の2本です。

①英ナショナル・オーティスティック・ソサエティーの動画「感覚情報過多」

Diverted

英ナショナル・オーティスティック・ソサエティーによる、自閉症者への理解を促す”too much information”キャンペーンの一環として作られたビデオです。主演のサスキア・ルーピン自身が自閉症スペクトラムであり、自閉症者に特有の不安やストレスとそれに対する反応、特に想定外のことばかり起こる外出がいかに大変なことかを好演しています。

冒頭の指をタッピングするシーンから始まり、電車のスケジュール変更、けたたましい車内アナウンスや表示、乗客の生む様々な雑音や乗客との接触、トンネルの轟音…といった事柄によって、自閉症者の感覚情報が過多となり圧倒されてしまう様子が若干ホラータッチで描かれています。そしてビデオは「私は自閉症で、そのため予期しない変化への恐怖によって家が出られないことがあります」という彼女の言葉で結ばれます。

興味深いのは、多くの自閉症者が自らのブログやSNSでこのビデオについてあれこれ――ここはよく描かれている、僕もこれをよくやる、といった具合に――述べていることです。自閉症者の感覚過敏を理解するのに役立つことはもちろん、当事者同士やご家族、支援者、関係者を交えた集いなどで、自閉症者個々人が実際には何に恐怖を感じ、どんな反応や不都合があるのかを具体的に聞き出すきっかけにもなりそうなビデオです。

②ADHDの非薬品療法はエビデンス不足

Non-Drug ADHD Treatments Lack Supportive Evidence

米MD Magazineは、注意欠陥多動性障害(ADHD)の未成年に対するサプリ、ニューロフィードバック、その他の非薬品療法は、臨床データによって有効性を証明されないことが最近の調査レビューからわかった、と発表しています。

小児科医のアレックス・ケンパー博士は「残念ながら我々は患者、家族、あるいは臨床医にお知らせするような科学的根拠を見つけることはできませんでした。概して非薬品療法のインパクトには低いエビデンス強度しかなく、オメガ脂肪酸に関しては親も教師も服用による症状の改善を認めませんでした。」と述べています。

彼とチームは、18才未満の患者に対するADHDの薬によらない治療法の効果と安全性を評価し、非薬品療法がどのように効くかを解き明かそうとしました。レビューは2009年1月1日から2016年11月7日間に発表された54の研究――あらゆるADHDの非薬品療法と偽薬、薬理的或いは非薬理的アプローチとの比較――を分析しています。非薬品療法には行動介入、すなわちペアレント・チャイルド・トレーニングや認知行動療法、ハーブや食餌サプリが含まれます。分析の結果、非薬品療法はその普及に反して、投薬療法との比較において、導入するに足る新たなエビデンスを得ることはできませんでした。

レビューは効果の高い、定期的に継続すべき特別な療法があるかどうかを考察したものではなく、薬品療法の効果に焦点を当てたわけでもありません。ケンパー博士は追跡調査期間の短さやサンプル数の少なさから、結果は限定的であるとしています。また、「大半の幼児と10代の子供達に中枢刺激薬は一定の改善をもたらしていると理解しています。」とする一方で「我々が科学的エビデンスを見つけられなかったからといって、必ずしもそれらの療法に効果がないとは限りません。」と話し、全米の2才~17才の子供の9.4%、610万人がADHDと診断され、その60%が薬品療法を受けている事実に鑑みて、療法の効果と安全性についての追加調査の重要性を訴えています。

最後に博士は「ADHDの治療で重要なのは、薬品・非薬品療法にかかららず、症状をつぶさに観察し、必要に応じて療法を調整することです。」と述べています。

3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「グレーゾーンのお子さんへの支援」他

ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にお答えします。

勉強嫌いの子の対応

Q1. 読み書き障害のため勉強が辛くて不登校です。現在週3日フリースクールへ通っていますが、全く勉強していません。勉強への抵抗感が非常に強いです。しかし、本人は工業高校への進学希望があります。定時制へ進学出来たとしても勉強が続けられるのかがネックです。いきなりの座学ではなく、うまく勉強へつなげる方法があるでしょうか?

A. 勉強に向かうまでの姿勢を整えるために必要な準備のポイントは大きくわけるとふたつです。

ひとつは、本人に合わせた学習内容・方略を準備すること。今回ご相談いただいた方に関して言えば、読み書き障害があり不登校、ということなので学年相応の範囲は難しい可能性が高いです。どこで躓いているのか明確にした上で、ご本人にとって負担感なく取り組めるくらいの範囲から始められるとよいでしょう。また、取り組み方に関しても注意が必要です。読み書きの難しさがあるのであれば、教科書読み上げ機能を使用したり、筆記の代わりにタブレットなどの代替機能をもつ機械の使用を考えられます。

もうひとつは、意欲・関心を高めること。勉強がご本人にとって”価値のあるもの”にならなければ、モチベーションは高まりません。無理のないレベルの内容を本人にあった方略で取り組むことで、学習自体に楽しみを見出すことができれば理想的です(これを内発的動機づけといいます) ですが、なかなかこれだけでは一度苦手意識をもってしまった学習への意欲をあげるのは難しいです。その場合は、学習に取り組んだときにはすごく褒められる、ゲーム時間が増える などなど…ご褒美がもらえる約束をするなどの外発的動機づけを設定しましょう。

子どもっぽいやり方と思われるかもしれませんが、大人がお給料をもらいながら働くのと同じことだとお考えください。外発的な動機づけをきっかけに学習を始め、勉強の楽しみを見出したり進学の夢を持つようになり内発的動機づけが芽生えるよう働きかけていかれるとよいでしょう。

なお、今回のご相談に関して言えば勉強に繋げることが最優先課題かというとやや疑問が残ります。ご本人の将来像を踏まえた上で、今負荷をかけて学習に取り組むことを優先すべきなのか、別の形で自尊心を養っていくのがよいのか…。どちらか一方に絞る必要があるわけではないですが、勉強以外の活動に目を向けていくと視野が広がっていくでしょう。

【参考】不登校の子のために 平日日中の学習指導

グレーゾーンのお子さんへの支援

Q2-1. 中3男子です。注意欠陥多動性障害グレーゾーンです。勉強会などがあるようで大変興味がありますが、本人に告知はしていないので、参加は難しいでしょうか?(気づいているようです。)

Q2-2. 発達障害と診断されていなくても疑いのある子でも可能でしょうか。

A. 「グレーゾーン」という言葉は定義が曖昧なこともあり、普段はできるだけ使用しないようにしているのですが、今回は「発達の凸凹から生活に困り感のある、未診断のお子さん」としてお話していきます。

放課後等デイサービスなどの福祉サービスについては、利用にあたって「障害福祉サービス受給者証」を取得する必要があり、そちらの申請時に診断書の提出を求められます。ただし、通級の利用実績など支援の必要性を証明できれば承認される場合もあるため、お住いの自治体にご確認ください。なお、TEENSで行っている発達障害専門塾「まなびTEENS」や夏期講習などの福祉サービス外のプログラムについてはご利用にあたり診断は特に必要ありません。

発達凸凹のあるお子さんのサポートを行っている場では、集まっているお子さん自身が自覚しているような環境と、そうではない環境があります。前者であれば「発達の凸凹がある」という前提のもと、困り感のシェアなどができますが、受容ができていない子にとっては参加しづらさがあります。後者については未告知の子でも安心して参加をすることができますが、ストレートに障害特性に向き合う時間はもちにくい可能性が高いです。

例えばTEENSに通っている子どもたちの半数以上は告知を受けておらず、通常の”塾”だと思って利用しています。特別な事情がなければ、スタッフが「発達障害」という言葉を使うこともありません。ただし、一部夏期講習の中では告知を受けた前提で自己理解・障害受容を深めていくためのセッションなどもご用意しています。お子さんの発達ステージに合わせて、利用サービスを選択できると良いでしょう。

余談ですが、教育を受けている間は通級、フリースクールなど、グレーゾーンの子の対応ができるようなリソースがありますが、大人になり雇用される段階になると「一般枠」か「障害者枠」かの二択を迫られます。私自身この状態自体がよいと思っているわけではないですし、一般枠の中で障害をオープンにしながら働くという選択肢も徐々には増えてきてはいます。しかし、現実問題としては将来どこかで診断を受けるか、受けないかの選択を迫られる可能性は高いです。その時までにご本人(そして保護者)が、自分の凸凹とどう向き合っていくかを考えていきましょう。

【参考】TEENS夏期講習 発達障害の子のための発達障害講座

交友関係・人付き合いをうまくするには?

Q3. ADD, ASDの子どもを持っております。子どもが高校生になり、交友関係やお金の面で悩むことが多く、人づきあいがとても苦手です。

A. 発達障害のあるなしに関わらず、高校生になると世界が広がる分、悩みも増えますね。今回のご相談からですと詳細がわからないため、具体的なアドバイスは難しいですが、発達障害の子の交友関係について心にとどめておいていただきたい心構えだけお伝えしますね。

交友関係全体がうまくいく、というのはなかなか望めないですし、そこに理想を置かないほうがよいでしょう。学校の中での友人関係がうまくいかないとなったときに、それ自体を解決しようとするのは難易度が高いです。その場合は学校以外ご本人にとって心地よい人付き合いができるような場所を探す(例えばピアグループや、同じ趣味の人の集まりなど)というのもひとつの手段となります。学校ではうまくいかなくても、あそこにいけば仲のいい人に会える、という気持ちになるだけで交友関係に関する悩みが軽減されるということは往々にあります。

困難に直面した時に、必ずしもそれと真っすぐ向かい合う必要はありません。お子さんにとって得意なフィールドでチャレンジができるよう、サポートしてあげてください。

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