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TEENS川崎1月オープン 海外メディア「なぜ、セサミストリートの自閉症のある新キャラクターは、女の子なのか?」2015年11月号

  1. TEENS川崎1月オープン(Kaien川崎は12月オープン)
  2. ~なるほど発達障害~ 定例セミナー Kaien Meetup のお知らせ
  3. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース
  4. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします

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  • 第1号 特集「10代の発達障害」
  • 第2号 特集「発達障害と間違えられやすい症状」
  • 第3号 特集「発達障害者(児)の進路・就職」
  • 第4号 特集「Kaien創業期~発達障害の子を持った私が起業家になったわけ~」

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1. TEENS川崎1月オープン(Kaien川崎は12月オープン)

放課後等デイサービスTEENSの4拠点目となるTEENS川崎がJR川崎駅近くにオープンします。現在のところ来年1月4日(月)の営業開始の見込みです。現在ご利用説明会や体験セッションなどでご利用希望者へのご説明・ご案内をしています。TEENS川崎でも既存の3拠点とほぼ同じ内容を提供する予定です。

なお、12月1日には同じフロアに当社では就労移行支援事業所となるKaien川崎が一足早くオープンします。こちらも他の事業所と同様、発達障害*の特性に合った訓練・就活支援プログラムを提供してまいります。

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2. ~なるほど発達障害~ 定例セミナー Kaien Meetup のお知らせ

当社主催セミナーを秋葉原、新宿、川崎で開催します。TEENSサービスのご利用の親御様には割引料金でお入りいただけます。テーマは診断の話題から進学・進路の話題まで幅広く扱うセミナーとなります。セミナー後には1時間程度、茶話会も毎回開催します。親御様同士で、当社スタッフと、懇談して頂ける空間づくりを目指してまいります。

第1回「神奈川県内の発達障害 就職事情」11/29(日) 14:00-15:15 Kaien/TEENS川崎

第2回「療育手帳保有の発達障害の方の就職最前線」 12/6(日) 10:30-11:45 ガクプロ新宿  12/13(日) 10:30-11:45 Kaien/TEENS川崎 12/20(日) 10:30-11:45 Kaien秋葉原本社

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3. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース

このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『①なぜ、セサミストリートの自閉症のある新キャラクターは、女の子なのか?』、『②セレブでADHDの人たち』の2本です。

①なぜ、セサミストリートの自閉症のある新キャラクターは、女の子なのか?

Why Sesame Street chose a girl character to portray autismblank

とても良い記事でした。感動的ですらあります。セサミストリートでは、3年かけて自閉症の専門家などと意見を交わしながら、新しいキャラクターであるJulia(ジュリア)を作りだしました。彼女は、高機能自閉症で、感覚過敏があり、大きな声でしゃべったりリアクションが大きすぎたり、口頭でのやり取りが苦手だけれども、記憶力が良く、ちょっと不思議なチャーミングさを持つ、という設定になっています。

女の子の設定になったのは、男の子に比べると確かに割合が低いものの、女の子にもに自閉スペクトラム症が見られることが知られていないから、という啓発的な意味を込めているそうです。どうやらテレビ版では出ていないようなのですが、以下のウェブサイトの(少しサイトが重いですが)Storybookというページに、ジュリアとエルモともう一人の女の子の間の友情物語が、いかにもセサミストリート風に音声読み上げで語られています。http://autism.sesamestreet.org/

こういう良く練られた理想と現実を上手に行き来したものをしっかり作れるセサミストリートはさすがだなと思わされました。

②セレブでADHDの人たち

ADHD Stigma: Celebs Share What Life Is Like With ADHDblank

非常に雑な記事ですが、つい読んでしまいました。アメリカでは、新しい社会現象はかなりの部分、ハリウッドスターなどメディアが作っている印象があります。実は自閉症やADHDについても同じです。アメリカ最大の自閉症啓発団体のAutism SpeaksはNBCテレビの元会長が始めたものですし、様々なボランティア活動はハリウッド女優が行っています。

この記事によると、日本でも結構知られた人も、ADHDをカミングアウトしているとのことです。半分ぐらい、「ADHDのようだ」という憶測の名前ではありますが。記事に上がっているのは、パリス・ヒルトン、ビヨンセの妹のソランジュ、マイケル・フェルペス(五輪金メダリスト)、などがインタビューでADHDであることを告白しています。

先日は日本で、モデルの栗原類さんがカミングアウトしてとても話題になりましたが、米国ではADHDは子どもの10人に一人が診断される一般的なものになってきていますので、良い意味で抵抗がなくなってきているのだと思います。

4. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします

代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にTEENSスタッフ飯島と鈴木がお答えします。

完璧主義

Q1. 中学2年、アスペルガー女子です。友人関係だけでなく、勉強にたいしても完璧主義が 強く、試験前になるといつも不安定になります。せっかく勉強しても、自信がないときは、試験を受けず欠席します。認知の修正は難しく、試験中は、感情のコントロールもできず暴れることもあります。完璧主義がよくないと、頭ではわかっていても腑に落ちないようです。家族は見守る事にしていますが本人が変わるときがくるのでしょうか。

鈴木. 完璧主義は語弊を恐れずにいうと”優秀病”でもあり、優れた成果を残す人はやはり完璧を目指していると思います。ただ完璧も様々な解釈ができることが重要です。つまり相手から見た完璧だったり、パーツではなく全体感での完璧だったり、一時点ではなく長期的な視点での完璧だったりと、完璧も多面的だいうことです。相手から見た完璧(でも自分では完ぺきとは思わない)という客観性を獲得するのが難しいのが発達障害ともいえますので、他のお子さんよりも完璧主義の負の面に苦しむ年月が長くなるとは思います。でも発達障害と言ってももちろん成長します。徐々に学びを得て完璧さが多面的なのだということが折に触れ周囲から伝えていけば少しずつ塊・こだわりが溶けていくのではないかと思います。

今回のご相談は他の見方もできます。人生を綱渡りのように思っているようで、なにか上手くいかないと、人生で奈落の底に落ちるのではないかというような感覚を持っている人が多いです。たとえば試験に落ちると苦しい人生しかないとか、留年すると就職できないとか、ブラックバイトをすると意欲から体力からすべて奪われて廃人になるとか、そういう細かな事象が自分への全否定につながって不安がり、それが他人から見ると完璧主義に見えるケースがあるようです。綱を踏み外すと挫折してしまうので、踏み外さないようにしているだけで、独特の世界観での不安感が強いだけで、それが周囲からはこだわりや完璧主義に見えると言う感じです。周囲の常識感覚ではまったく問題ないようにみえるのですが、なにか当たり前の常識感がぼこっとかけているケースが多く、その常識を言語化する力が周囲に求められるかもしれません。ご本人が徐々に常識を獲得できれば良いのですが、どんな子どもでもある程度周囲の大人に言語化してもらい常識を学んでいくと思います。そのあたりが支援力でもあります。

書字の困難さ

Q2. 中学一年、通級学級に通っている子です。書字が大変汚いのと数学が理解できず、テストが大変な状態です。区の発達コーディネーターさんからご紹介いただきました。

飯島. 何に対してもそうなのですが、困り感の理由を探るのが第一課題です。書字が汚いのは視覚の問題なのか、手先の問題なのか、そういったあたりをまず確認したいです。数学が理解できないとのことですが、実は算数の時点で躓いてはいないかという点も確認ポイントとなります。お子様ご自身がその原因を自覚することはまずもって難しいです。WISCなどの心理検査はそれを知るためのものなので、一度専門家に見てもらってから、適切で丁寧な指導を受けることが望まれます。

なお、今回の場合は中学生という年齢を考えると、書字に注力していくよりはタイピングなど代替行動を教えてあげる方がよいかと思います。数学は苦手なようですが、英語や社会や他の科目はいかがでしょうか。ご本人の興味のある分野において、文字を書くこと自体がハードルにならないような勉強法を教えてあげる必要があります。

軽度の学習障害*?

Q3. 軽度学習障害あり。漢字、暗記が難しいため、宿題が全くできないまま小学6年になってしまい、困っています。

飯島. 宿題というのは実はマルチタスクです。宿題を出されたらその内容と締め切りを覚えておかなければならず、それが難しいようならメモをとらなければいけません。更に自宅に帰ってから宿題の存在を思い出し(あるいはメモをチェックし)、宿題にとりかかり、ばっちり完成させた後にカバンにしまい込み締切当日に先生に提出する、、、という、一口に宿題と言っても細かい作業がいくつも発生するのです。つまり段取り下手なタイプの発達障害のお子さんは、勉強の得手不得手に関わらず「宿題」というものがそもそも困難なので、始めから自立的に行うことは難しく大人のフォローが必要となります。今回ご相談いただいた方の場合で言えば勉強自体の苦手さもあるので、小学6年生と言えども自立に向けたサポートが望まれます。

余談ですが、‘軽度’‘中度’‘重度’と分類されるようになったのは最近で、2013年に改訂された診断基準のひとつである「DSM-5」から始まっています。もっと言うと「学習障害(LD)」という名称も「限局性学習障害(SLD)」という表記に変わったようですが、まだ世間的になじみがないので当社ではしばらくは「学習障害(LD)」と呼んでいくことになると思います。

放課後等デイサービスの制度

Q4-1. これからグレーゾーンの息子が中学に進学にあたり、学習や本人の長所を生かして息子が心地の良い生活が送れるように、また自立できるような環境をどうやって作って良いか毎日悩んでいます。友人から初めて御社のことをお伺いして、サポート拠点の一つとなるか、好きな何か、得意な部分を引き出せていけるのか、具体的にどんなことをするのか興味があります。息子は放課後デイサービスの受給者証をもっていますが、受給者証の利用は可能でしょうか?

Q4-2. 障害福祉サービス受給者証は一度取得したら何年間有効なのでしょうか?

鈴木. 放課後等デイサービスは児童福祉法に基づく事業です。このため障害福祉サービス受給者証が必要になります。つまり通常の(民間の)学習塾や習い事ではなく、行政の仕組みで縛られる部分もありますし、一方で費用的な負担が大きく免除されています。以下のサイトでご紹介していますので、ご確認ください。

TEENSへのご質問

Q5. 通わせていただくなら横浜なのですが横浜の利用説明会はありますか?

鈴木. おそらくご利用いただいている保護者の方々からの口コミなのだと思いますが、横浜・川崎など神奈川県内からの要望が強いため、今後もTEENSの拠点を増やしていかないといけないと思っています。つまり今後は埼玉、千葉、東京都下と考えていましたが、それに加えて、(すでにTEENS横浜とTEENS川崎の2拠点となった)神奈川県内にも増やしていかないといけないということです。ただ利用説明会については、新宿や川崎などでの開催が今後も多くなると思います。理由は、TEENS横浜やTEENS御茶ノ水は、ほぼ毎日なんらかのセッションが行われていて、説明会をする時間が取れないためです。横浜をご利用の方も、新宿や川崎での説明会にお越しください。説明会に参加された場所と最終的なご利用の場所は異なっていて全く問題ございません。各回の説明内容もまったく一緒です。

Q6. TEENSですが、以前ADDSのでお話を伺いました。その時は、子供が対象年齢から外れていたのですが、現在小学校。3年生将来のこといろいろと考えていく時期にさしかかっています。夏休み 冬休みなどの長期休暇に利用するという形でも大丈夫でしょうか?

鈴木. 長期休暇のみのご利用はお断りしています。おそらく放課後等デイサービスの制度的にも定期的に通い、半年ごとに支援計画を見直していく形になっていますので、一時のご利用は難しいと思われます。定期的にお越しいただけるときにご利用をお考えいただけますと幸いです。なお、ADDSさんは新宿などで児童発達支援を行っているNPOで当社も交流させていただいています。

Q7. 将来的にパソコンスキルなど必要になってくると思うのですが、普段のときの土曜日などに個別で教えて頂くことも可能でしょうか。

鈴木. 土曜日はお仕事体験のグループでのセッションです。そもそもTEENSでのお仕事体験は集団でのスキル獲得がメインですので、個別に技術をお伝えするという方針ではありません。学習やPC練習など、個別になる部分が多いものは平日に承っておりますので、平日夕方にお越しください。

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

*学習障害は現在、DSM-5では限局性学習症/Specific Learning Disability、ICD-11では発達性学習症/Developmental Learning Disorderと言われます

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