発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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品川・国立・関内ほか「明蓬館高等学校 中等部」/メタバース空間「EuLa通信制中等部」発達障害に理解のある学校 インタビュー特集Vol.12#発達障害に理解のある学校 インタビュー特集

「特性に理解のある学校の情報が欲しい」というお子さん・保護者に向けて、ティーンズがおすすめしたい学校情報をお届けします!

第12回となる今回は、学校に行くことが難しくなってしまった中学生に学びの場を提供している2つの中等部をご紹介します。
お話を伺った間杉慎太郎先生は、明蓬館高等学校 中等部とEuLa通信制中等部のディレクターとして、生徒たちと学びを深めている先生です。インタビューを通して、2つの中等部の教育内容やサポート体制について深く掘り下げ、発達障害があるお子さんを持つ親御さんが知りたい情報をお届けします。

明蓬館高等学校 中等部/EuLa通信制中等部について

学校名明蓬館高等学校 中等部
校舎
(学習センター)
品川・御殿山学習センター(東京都品川区北品川)
東京・国立学習センター(東京都国立市中)
横浜・関内学習センター(神奈川県横浜市中区山下町)
湘南厚木学習センター(神奈川県厚木市中町)
愛知・春日井学習センター(愛知県春日井市中央通)
栃木学習センター(栃木県栃木市都賀町家中)
ウェブサイト(中等部)https://at-mhk.com/course/junior-highschool/
(高等学校)https://at-mhk.com/
運営母体株式会社アットマーク・ラーニング
学校名EuLa通信制中等部
校舎メタバース空間
ウェブサイトhttps://eula.jp
運営母体株式会社アットマーク・ラーニング

チェックボックスのイラスト(赤)スチューデント・ファースト
チェックボックスのイラスト(赤)好きなことに熱中できる安心安全な環境
チェックボックスのイラスト(赤)自律と自立を共に創造する

在籍中学と連携して生徒一人ひとりの学びを保証していきます

―― 中等部ディレクターの間杉慎太郎先生に、明蓬館中等部とEuLaについてお伺いします。
明蓬館中等部やEuLaは、どのような方に向けた学校なのでしょうか?


間杉先生 明蓬館中等部は、学習や運動、行動面での困りごとがあるなど、さまざまな理由で従来の学校になじめない生徒たちが通って来られる学びの場として2017年に開校しました。そして様々な事情から教室に通うことができなくても家からでも安心して学べるように2025年にEuLa通信制中等部を開校しました。
従来の学校とは異なる教育システムや、生徒一人ひとりに寄り添ったサポート体制が特徴です。もちろん、明蓬館中等部もEuLaも明蓬館高等学校で培ってきた心理支援のノウハウを引き継いでいます。

―― 「中学校にはなかなか通えなかったけど、〇〇には通えている」という声はティーンズでも聞きます。明蓬館中等部は学習センターに通うことができ、EuLaはメタバース空間を利用しているのですね。
貴校のように学ぶ機会が増えていることは本当に喜ばしいことと思います。先日ニュースで、小中学生の不登校は約30万人を超え過去最多を更新したと聞きました。そのあたりについて教えてください。

間杉先生 現在、令和5年度(2023年度)までの文部科学省の調査結果がでています。

令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要 p23より

小中学生ともに不登校は増加していて、中学生では30人以上のクラスに2人は不登校の生徒がいる計算になります。
様々な事情から不登校、いわゆる学校に行かないことを選択する子どもが増えてきています。子どもたちは学校に行かないことで学習だけではなく、社会とのつながれる機会、体験の機会など様々な機会を失っています。そのため、明蓬館中等部やEuLaでも子どもたちが様々なつながりや体験ができるように特別講座などのプログラムを大切にしています。
※この数字は、年間30日以上欠席した長期欠席者の小中学生数から、病気や経済的理由の方などを除いた人数です。

―― 不登校の中学生が増加している背景には、どのような要因があるのでしょうか?

間杉先生 学校現場としては、学習や運動、集団で行動することなど、上手くいかない面がある生徒が増えてきている一方で、個々の生徒の個性やニーズに十分に応えられていない現状が不登校増加の一因と考えています。
地域にもよると思いますが、近年は深刻ないじめがあって学校に行けなくなるといったケースは少なくなっているように思います。
例えば、クラスメイトとの関係が上手くいっていないので学校を休みがちになった。学校の先生はよくしてくれるが、登校はできない状況が続いている。そこで「何が何でも学校に行かせる」ではなく、学校以外の学ぶ場所を探して、明蓬館にお問い合わせいただく、といったケースが多い印象です。
文部科学省の資料では「保護者の意識変化」「コロナ禍の影響による生活リズムの乱れ」「学校活動・登校意欲の減少」「特別な配慮が必要な子供への指導・支援の不足」が挙げられています。
補足ですが、この調査結果から不登校の主な原因が「無気力・不安」とまとめられることがありますが、当事者やその保護者からすると、今困っていることについての学校とやりとりで「理解してもらえない」ことが続く中で、「無気力」とみなされる状況が作られている面にも注目してほしい、という思いは強いのではないでしょうか。

―― そのような現状を受けて、明蓬館中等部はどのような方針や特徴を持っているのでしょうか。

間杉先生 大きな方針は「スチューデント・ファースト」です。生徒一人ひとりの個性や意思を尊重しています。多感で感受性、吸収力の高い中学時代を、かけがえのないものとして過ごせるよう、多職種連携による支援と伴走を行っています。


一人ひとりの個性や意思を尊重するために、「何をしたいか」「中学卒業後はどうしたいか」といった生徒自身や保護者の思いを整理し、個別の教育支援計画・指導計画を作成します。これは、公認心理師・臨床心理士など専門の先生が担当しています。
その計画に沿って、学習については教員免許を持つ先生が、生活全般の日々のサポートは支援員が行うなど、さまざまな職種のスタッフが連携して支援・伴走しています。高校の先生が中学の授業も兼任しているところも特徴かもしれません。
先日ご紹介いただいた明蓬館高等学校 品川・御殿山SNECのように、安心できる居場所であることも大切にしています。


中学校(在籍校)との連携

―― 明蓬館中等部のホームページでは特徴②として「中学校との連携」が挙げられています。明蓬館中等部で学ぶためには転校するのかと思っていたのですが……

間杉先生 明蓬館中等部は、いわゆるフリースクールやオルタナティブスクールという位置づけで、現在の中学校に在籍しながらご利用いただくようになっています。
文部科学省が定めた基準に沿って教育を行っている学校は「一条校」と呼ばれますが、そこでは、たとえば少人数クラスなど新しい取組はなかなかできません。
一条校だけでは一人ひとりの学びを保証できないため、オンラインを含めたさまざまな学びの機会の大切さが強調されています。
そこで、①一人ひとりに合わせた環境が提供できる明蓬館中等部などフリースクールで自分のペースで学び、②卒業や進学に向けた書類作成は在籍校で行っていただく、という方法も認められるようになりました。
明蓬館中等部では、月次活動報告書の提出や面談への同席などを通じて情報共有することで、「ご家庭」「中学校」「明蓬館中等部」の三者で生徒を支えています。

―― 実際に通われている生徒さんや保護者からはどのような感想を聞かれていますか?

間杉先生 例えば、在籍中学校では「今日は行きたくない」と感じたような日でも、「今日は明蓬館に行きたい」と自ら言うようになった生徒さんがいます。
あるいは、好きなことに夢中になれる環境があることで、学校生活への意欲や自信が高まったという声も多いです。
保護者の方からは、「未知へのチャレンジができる」「在籍校としっかり連携してもらえるので安心」といったご感想をいただいています。 

保護者の方々へメッセージ

―― 最後に、明蓬館中等部やEuLa通信制中東部に興味を持たれている方にメッセージをお願いします。

間杉先生 生徒一人ひとりが自分らしく、安心して学び、挑戦できる場所であること。
一人一人が、将来につながる自信や才能を見つけられるよう、私たちが全力で伴走していきます。
多様性が認められる社会の実現に向けて、まずは学校から変えていきたいと考えています。

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teens@teensmoon.com (学校インタビュー担当 宛)

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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