■ はじめに
いつもティーンズ柏のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
発達障害のあるお子様やご家族を支える上で、日常の過ごし方や将来の自立を見据えたサポートはもちろんのこと、医療機関との連携も非常に重要な役割を果たしています。
今回は、柏市で長年にわたり地域医療を支えられている「医療法人聖峰会 岡田病院」の院長・岡田剛先生にお話を伺いました。
発達障害のあるお子様への関わり方やご家庭でのケア、そして医療と福祉の連携について、専門的な見地と温かいお言葉でたっぷりとお話しいただいております。ぜひ最後までご覧ください。
■ インタビューご協力機関のご紹介
医療機関名:医療法人聖峰会 岡田病院
所在地:〒277-0842 千葉県柏市末広町2-10(JR・東武アーバンパークライン「柏駅」西口より徒歩2分)
診療科目:内科、小児科、婦人科 など(専門外来:小児こころの相談、アレルギー 等)
公式サイト:https://seihoukai-okada.or.jp/
地域に根ざした医療を展開する岡田病院様では、小児科・こころの相談外来にて、言葉の遅れやかんしゃく、不登校、発達やこころに関する様々なお悩みに寄り添った診療を行われています。
ティーンズ(坂井):本日インタビューを担当させていただきます、放課後等デイサービス「ティーンズ柏」の坂井です。岡田先生、本日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございます!まずはじめに、柏市で長年地域医療を支えていらっしゃる岡田病院 小児科・こころの相談外来の診療方針や、日頃どのような想いでお子さんや保護者の方々と接していらっしゃるかをお聞かせいただけますか?
岡田先生:こちらこそよろしくお願いします。当院の小児科・こころの相談外来では、言葉の遅れやかんしゃく、集中力・落ち着きのなさ、こだわり、学校での行き渋りや不登校など、お子さんの発達やこころに関する様々なお悩みをお受けしています。私たちが大切にしているのは、「ただ病気や症状を診断・治療するだけでなく、お子さんが自分らしく自信をもって生活できるようになること」です。発達障害という診断名がつくことを恐れる親御さんもいらっしゃいますが、私は「診断名は『レッテル』ではなく、お子さん専用の『取扱い説明書』を手に入れるためのもの」とお伝えしています。なぜ生きづらさを感じているのかの原因が分かれば、ご家庭や学校でも「どう手助けすればよいか」という正しい工夫が見えてきます。医療の視点から特性を正しく整理し、関係機関と一緒に生きづらさを解消する糸口を探っていく姿勢を重視しています。
ティーンズ(坂井):小学生・中学生・高校生と成長するにつれてご相談の内容も変化すると思いますが、具体的にどのようなお悩みが届きますか?また受診のタイミングについても教えてください。
岡田先生:年代によって直面する課題は大きく変わりますね。
・小学生:集団行動への適応や授業中の集中力、友人関係の行き違いなどが主なご相談です。周囲から注意される機会が増え、自己肯定感が下がりやすい時期でもあります。
・中学生・高校生:学習内容の高度化、定期テストや受験、部活動、複雑な人間関係など、社会的な負荷が一気に高まります。
特に中高生になると、二次障害として起立性調節障害(朝起きられない・頭痛や腹痛など)や強い不安感、不登校として症状が現れることが増えます。周囲から「怠けているのでは」と見られがちですが、これは決して甘えではなく、「心と体のエネルギーが完全に切れてしまったサイン」なんです。身体の症状を医療で和らげつつ、まずはしっかり休ませる勇気を持つことが大切です。
受診のタイミングとしては、「ご本人やご家族が困り感や限界を感じたとき」が一番の目安です。様子見を重ねて二次障害をこじらせる前に、いつでも気軽に相談しに来ていただきたいですね。

ティーンズ(坂井):保護者の方から「受診するとすぐにお薬を飲まされるのではないか」「一生飲み続けないといけないのか」といった不安の声をいただくこともあります。お薬の位置づけについてはいかがでしょうか?
岡田先生:その不安はとてもよく分かります。ですが、「受診=すぐにお薬」ではありません。発達障害の診療において最も大切なのは、まず環境調整や周囲の関わり方を変えることです。その上で、本人の不安感が非常に強い場合や、不注意・衝動性によってどうしても生活や学習に支障が出ている場合に、「生活をスムーズにするための補助輪」としてお薬を検討します。お薬は無理に飲ませるものではなく、ご本人や保護者の方としっかり話し合い、メリットとデメリットを納得していただいた上で処方します。環境が整ったり、成長に伴ってご自身でコントロールできるようになれば、お薬を減らしたり終了したりすることも十分に可能です。
ティーンズ(坂井):行き渋りや不登校が生じた際、ご家庭ではどのように向き合うのが望ましいでしょうか?また、親御さんご自身の精神的なご負担も心配です。
岡田先生:一番伝えたいのは、「100点満点の親を目指さなくて大丈夫ですよ」ということです。家庭を「指導や教育の場」にしすぎず、「失敗しても怒られない安全基地」にしてあげてください。学校や外でたくさん頑張ってきた分、家ではエネルギーを充電させてあげることが最優先です。また、育て方や愛情不足が原因で発達障害になるわけではありませんので、決してご自分を責めないでください。保護者の方が笑顔でいられることが、お子さんにとって一番の薬になります。
そしてもう一つ、「きょうだい児への配慮」も忘れないでほしいポイントです。発達特性のあるお子さんに手がかかると、ご兄弟・ご姉妹が寂しい思いをしたり、我慢を重ねたりしがちです。週に1時間でも「上のお子さん(あるいは下のお子さん)だけとじっくり向き合う時間」を作ってあげるようアドバイスしています。
ティーンズ(坂井):私ども「ティーンズ柏」では、発達障害のある小学生・中学生・高校生を対象に、学習支援や作業プログラム、社会性を育むセッションを通して、「自分の強みを知り、働く力を身につける」サポートを行っています。放課後等デイサービスなどの福祉と医療の連携について、先生の期待をお聞かせいただけますか?
岡田先生:大人の社会で生きていく時に重要なのは、「苦手なことを平均並みにすること」ではなく、「自分の得意なことや好きなことで誰かの役に立つこと」です。医療機関ができる「診察や診断、医学的アプローチ」と、ティーンズさんのような放課後等デイサービスができる「日常的な居場所作り、具体的に『これならできる』という成功体験の蓄積、就労を見据えたトレーニング」が組み合わさることは、非常に理想的です。病院の診察室だけでは見えにくい日常での頑張りを福祉の現場が引き出し、その情報を医療側も共有して多角的に見守ることで、子どもたちは「自分は自分のままで大丈夫だ」という強い自己肯定感を持つことができます。
ティーンズ(坂井):ありがとうございます!医療からの専門的な見立てと、福祉での実践的な体験支援が手を取り合うことで、お子様が自分の強みを活かして社会へ羽ばたけるようサポートしていきたいですね。
岡田先生:その通りですね。柏市にはお子さんとご家族を支えるための地域ネットワークが育っています。ご家族だけで抱え込まず、いつでも岡田病院やティーンズ柏のような専門機関を頼ってください。一緒にお子さんの明るい未来をつくっていきましょう。
今回、岡田病院の岡田剛院長にインタビューをさせていただき、医療と福祉がそれぞれの強みを活かして手を取り合うことの大切さを改めて実感いたしました。
岡田先生の「診断名は『レッテル』ではなく『取扱い説明書』」「100点満点の親を目指さなくて大丈夫」という温かいお言葉は、日々お子様と向き合う中で悩んだり不安を抱えたりされている保護者の皆様にとって、大きな安心感や心の支えになるのではないかと思います。
「得意なことを伸ばし、自分らしく自信をもって生きる」——ティーンズ柏でも、お子様一人ひとりの「好き」や「得意」に光をあて、社会へ羽ばたくための自信と働く力を育めるよう、岡田病院をはじめとする地域の医療機関の皆様としっかり連携しながら、切れ目のないサポートを届けてまいります。
お子様の発達や学校生活について、少しでも気になることや困り感がございましたら、ご家族だけで抱え込まず、いつでも岡田病院やティーンズ柏にご相談ください。
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