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【学習障害児向け】学習指導のポイントまとめTEENS冬期講習 実施レポート!

2018年1月31日

寒さが一段と厳しい今日この頃ですが、薄手のシャツや上着無しで来所するお子さんがちょこちょこいます。「上着が重い」、「自転車に絡まる」、など、そのお子さんなりの理由があるようですが…衣服の適切な調整も必要な社会的能力ですので、引き続き声掛けをしてまいります。

発達障害児の学習の躓きにアプローチ!TEENS冬期講習

さて今回は、年末に実施した「TEENS冬期講習」について、ご紹介させていただきます。

【参考】TEENS冬期講習(※現在募集は終了しています)

簡単に内容をご紹介すると”学校の学習に遅れがあるお子さんや、受験に向けて苦手克服をしたいお子さんを対象とした個別学習指導”です。終了後は、具体的な躓きやその原因、それを踏まえどんな方法で勉強をしていけばよいのかをアセスメントしたレポートをお渡ししました。

今回は定員を大幅に超える人数の方からお申込をいただき、結果15名程のお子さんに個別指導を実施させていただきました(受け入れが出来なかった方、申し訳ございませんでした…)

学習指導のポイント①言葉の意味理解を深めるには、本人の中にある言葉を引き出す

私が今回「国語作文力/語彙力UPコース」で担当した、小学校5年生のお子さんのお話です。

まずは語彙力について。語彙の少なさや、抽象的な言葉の意味理解の曖昧さなどが課題であったので、そこを強化することを意識して指導しています。

例えば、「バスケの試合を必死に応援する」という文で、「必死に」を別の言葉で言い換える問題。なんとなくはイメージできるようですが、具体的な状況を言語化することが難しいご様子です。

「試合を見て応援する時、どんな風になる?」と聞くと、「声を出す」というお返事でした。「いいね!それから?どれくらいの大きさで?」などと何度か問いかけやり取りをしながら、「大きな声で」という1つの答えを導き出していきました。その後も他にどんな言い換えが出来るかやり取りをしながら、更に語彙を広げていきます。このように、知識を一方的に植え付けるのではなくご本人の中にある語彙を引き出しながら本質的な理解に繋げるのが学習指導のポイントです。

学習指導のポイント②学習障害*のある子には英語と同じように国語を教える

次に作文・表現について。こちらは、話し言葉と書き言葉の区別がついていない、主語を意識することが苦手なのでその後に続く動詞や文末表現がずれてしまう、などの課題が見られました。

これらの躓きは、通常の会話の中では気がつきにくいです。「おしゃべりは上手なのに作文が苦手…」というお子様は、文法の理解にこのように文法の理解にあいまいさがある可能性があります。

キーワードは”英語を習うように”。国語の文法理解は”できて当たり前”のものではありません。発達障害*のお子さんは日常生活の中での自然な学びが苦手なケースがあります。ひとつひとつ丁寧に、顕在的に学べるように指導をしていきました。

そして2日目の最後、指導の総仕上げで自由作文にチャレンジ。ご本人が選んだテーマは「運動会」でした。

まずは書きたい内容をイラストに整理。状況や心情をイラストで表現することが上手なので、楽しそうにイラストにまとめていきます。その後、全て自分の力で文章にしていきましたが、これまで教わったことをしっかり意識し、とても素敵な文章を書いてくれました!これには私も感動し、思わず花マルを付けていました。

作文への苦手意識が強いお子さんでしたが、教わった内容を本人がしっかり思い出しながら取り組んでくれたこと、そして成功体験がある「運動会」をテーマに選んだことが、上手にかつ楽しんで書けた要因だったようです。

”まなぶ力”を育む学習プログラム 3月スタート予定

今後、こういった「まなぶ力」を育むプログラムを定期的にご提供できるよう、現在準備中です。詳細については近日中にお知らせいたしますので、今しばらくお待ちください。

<関連リンク>

TEENSとは?

TEENS冬期講習

 

*学習障害は現在、DSM-5では限局性学習症/Specific Learning Disability、ICD-11では発達性学習症/Developmental Learning Disorderと言われます

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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