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海外メディア「世界最大の自閉症啓発団体 創設者が死去」 Q&A「発達障害を受け入れられない我が子をどう支援につなげるか」2016年8月号

  1. コーポレート・採用サイトをオープン
  2. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース 「世界最大の自閉症啓発団体 創設者が死去」
  3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「発達障害を受け入れられない我が子をどう支援につなげるか」

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  • 第1号 特集「10代の発達障害」
  • 第2号 特集「発達障害と間違えられやすい症状」
  • 第3号 特集「発達障害者(児)の進路・就職」
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Kaien主催セミナーは不定期で開催中。~なるほど発達障害~ Kaien Meetupblank

1. コーポレート・採用サイトをオープン

就労移行支援・大学生向けプログラムを紹介するKaienのサービスサイト、放課後等デイのサービスを紹介するTEENSのサービスサイトに加えて、3つ目のサイトとしてコーポレートサイトをオープンさせました。当社のサービスに関する姿勢や、採用情報などを主に掲載します。

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2. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース 「世界最大の自閉症啓発団体 創設者が死去」

このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害*に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『①LD(学習障害*)の人が働くカフェ 設立1年を祝う』、『②世界最大の自閉症啓発団体 創設者が死去』の2本です。

①LD(学習障害)の人が働くカフェ 設立1年を祝う

Learning disabilities cafe blows out the birthday candles on its first year in businessblank

イギリスからの話題です。アメリカや日本と違って、イギリスは発達障害でも学習障害、しかも中高生や大人の学習障害の話題に触れる機会が多いような気が個人的にしていますが、この記事も大人の学習障害について。

LD(学習障害)の人を集めて、レストランやカフェで職人見習いとして、仕事の技術スキルと、職業人としてのソフトスキルを養う非営利団体の活動が1周年を迎えたという小さな記事をご紹介します。

イギリスではジェイミー・オリバーという人気シェフが学習障害をカミングアウトしていますが、読み書きができない人でも、不利なく働きやすい職人の世界、特にいつの時代でも経済的に成功をおさめたり、自営業が多く働く場が多様にあるレストラン・カフェの世界が学習障害の人に人気なようなのです。

LD レストラン・カフェでの仕事

写真も記事から

 

Apprenticeship(見習い) という、日本ではややすたれ始めている徒弟制度を感じさせる言葉がなんとも良く響く記事でした。当社もこのような活動をまじめにやってみたいなとポジティブな気持ちにさせてもらえました。以下関連記事も合わせてお読みください。(といっても英語も含まれていますが・・・)

②世界最大の自閉症啓発団体 創設者が死去

Autism Speaks Co-Founder Suzanne Wright Dies at 69blank

スザンヌ・ライトさんが亡くなりました。孫が自閉症と診断されたことを契機に、2005年に夫とともに設立したのがAutism Speaks。今や約60億円の年間予算を持つ、名実ともに世界をリードする自閉症啓発団体です。

それまでは英国のNational Autistic Societyや、米国のAutism Society of Americaといった、日本の自閉症協会に近い、家族的な組織が中心的でした。つまり自閉症の家族が立ち上げた互助会的な、家族支援的な役割です。Autism Speaksの果たした役割はそのような支援機関の発想を超えて、政府や国連に働きかけ、経済界やスポーツ界、芸能界を動かし、ファンド・レイジングを本格的に行うという、企業的な運営を徹底したところです。

日本ではそれほど有名人ではないかもしれません。しかし彼女の成果は皆様も恐らく知っているでしょう。最も身近なものは4月2日の国連自閉症啓発デーです。青のライトでさまざまな建物を照らすという啓発デーの名物イベントも彼らのイニシアティブの一つ。スザンヌは国連とともに中心的な役割を果たしていました。

Autism Speaksの公式サイトでも特集記事が組まれている。

Autism Speaksの公式サイトでも特集記事が組まれている。

 

個人的にはお会いしたことは無いですが、自閉症啓発デーのスピーチをみて、行動力がありながらも、ゆったりとした包容力のある方なのだろうなという印象を抱いていました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「発達障害を受け入れられない我が子をどう支援につなげるか」

代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にTEENSスタッフ飯島と鈴木がお答えします。

人との関わりにおびえる中学生の支援方法

Q1. 中学1年生の子供ですが、今、学活や総合学習が恐怖となっていて、登校拒否したい気持ちと葛藤しながら、なんとか通学しています。しかし、その姿は、自分に自信が無く、いつも人との関係におびえています。今、親として、何か一つでも自信が持てるような学習をさせたいと考えています。

鈴木. この情報だけでは判断はできないですけれども、学校でも、特に不規則で、どういうルールで物事が動くかわからない場面が苦手なようですね。たしかに安定するにはまず自分の「ホーム」を作って、「アウェイ」となる環境でも負けない、こころのゆとりを持つことが重要だと思いますので、親御様が思われるように自信を一つでも持てるとよいと思います。

 発達障害の人でも、たとえ受動型、孤立型と言われても、人とのかかわりを望んでいる人がほとんどだと思います。つまり、人付き合いは苦手でも、人付き合いは嫌いではない(自分の思い通りに予想通りにならないと混乱して、場合によっては怖がってしまうけれども、本質的には人間は「つながり」に価値をおいて生きていると思います)ので、どこかで落ち着いたら前向きな方向に、つまり、耐えて耐えて行動するのではなく、行きたい、何かをしたい、という気持ちになってくれるのではないかと思います。

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受動型でも、孤立型でも、心の内では人との関わり・交わりを望んでいるケースがほとんど。

 

発達障害を受け入れられない我が子をどう支援につなげるか

Q2. 本人が発達障害であると認めたくない状態です。現状は私立中学 不適応のため、不登校となっています。医師の診断を受けないとサポートは受けられないのでしょうか?

鈴木. 2つ思いました。まず、ご質問の点から。放課後等デイに通うためには医師の診断書が原則となっている自治体が多いと思いますが、必ずしも必須としていない自治体もあります。お住まいの自治体の障害福祉課にお問合せされることをお勧めします。

 もう一つ感じたのが、発達障害を認めないという点です。それでいいではないですか、と思いました。発達障害を認めるのが苦しければ、今の段階で押し付ける必要はないと思います。もちろん、診断を受けないと放デイには通えないかもしれませんが、それだけが唯一の解決策ではないと思います。診断が得られない場合でも何らかの方策はこの世界にはあると思いますので、まずはご家族が精神的にゆとりを持って動かれるべきだと思いました。

普通級か?支援級か?

Q3. 現在、普通級に在籍している小学3年生の親です。学習にはついていけているのですが、離席やお友達とのトラブルが頻発しており、学校側から支援級への移籍を勧められています。親としては将来のことを考えると普通級のまま進級していってほしいと思いますが、どうすればよいでしょうか。

飯島. まずご本人の気持ちが気になるところです。更に、これを考えるには、ご本人の性格・特性、普通級と支援級の環境(先生は、クラスメイトはどんな人か?)についても詳しく知る必要がありますので、ここではどちらがいいと言い切るのは控えます。

 ただ、ご本人・ご家庭の意向と学校の意向がずれてしまってどうしようもなくなったときには、相談支援員の方など第三者を含めて話し合うことをお勧めします。どの大人もお子様のことを思っていることには変わりないはずですが、上述したような様々な要素を加味した上で擦り合わせをしてくれる仲介役がいた方が全員が納得いくような結論に繋げやすく、またご家庭と学校との摩擦を軽減することもできます。

 普通級にせよ支援級にせよ、絶対的な正解はありません。どちらを選んだとしてもそれぞれにお子様にとって合うところ・合わないところがあるはずです。なんにせよ、大人だけで話を進めるのではなく、最終的にはお子様自身が納得できる選択をしてください。

発達障害のある人の就職状況は?

Q4. 発達障がい者の就職状況を知る方法を教えてください。

鈴木. 当社の大人向けのサイトに詳しくまとめています。詳しくは以下のリンクをご確認ください。ただし、この情報は、発達障害の人全体の就職状況を知る上ではやや物足りないです。なぜなら、当社の大人向けサービスを利用する人は、何らかの就活や定着で困難を感じた発達障害の人であり、課題に直面した後の人たちしかデータにないからです。まだ当社のようなサービスを利用しなくても働けている発達障害の人は非常に多いと思いますし、一方で課題に直面しながらもその課題が大きすぎて、当社に通う力もついていない人もいます。いい意味でも悪い意味でも、当社の利用者以外に発達障害で就職している人、いない人がたくさんいますので、あくまでサンプルとしてお考えいただければと思います。

当社就労移行支援のデータから。

当社就労移行支援のデータから。(クリックで拡大します。)

 

三鷹の空き状況を教えて

Q5. 三鷹教室を利用したいです。他拠点からのお子さんでほぼ枠が埋まってしまっているようなので、利用できるか心配しています。私が仕事をしているので、説明会の日時が決まりましたら、早めにご連絡頂けると助かります。

鈴木. たしかに三鷹については4回の説明会を8月初旬までに終え、ほぼ枠が埋まった状況です。今後は空き枠が出来るか、新拠点を立ち上げるかのタイミングで利用説明会をしていこうと思っています。それまでは体験セッションにダイレクトにお越しいただければ幸いです。

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

*学習障害は現在、DSM-5では限局性学習症/Specific Learning Disability、ICD-11では発達性学習症/Developmental Learning Disorderと言われます

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