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発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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地方と東京の療育・支援の差2016年11月号

  1. 採用情報: 真剣に発達障害の子のことを考えたら成功だけでなく失敗も必要だと思う。【児童指導員】を募集中
  2. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース 『ネットフリックスが、自閉症をテーマにしたドラマを制作へ』他
  3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「地方と東京の療育・支援の差」他

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1. 採用情報: 真剣に発達障害*の子のことを考えたら成功だけでなく失敗も必要だと思う。【児童指導員】を募集中

 TEENSでは首都圏に拠点を拡大するため現在すべての職種で採用を強化しています。医療や福祉の経験者はもちろん、教育や心理に興味のある学生や60歳以上の方などが活躍できる多様性のある職場です。ぜひ一度当社の採用サイトをご覧ください。

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2. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース 『ネットフリックスが、自閉症をテーマにしたドラマを制作へ』他

 このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『①ネットフリックスが、自閉症をテーマにしたドラマを制作へ』、『②自閉スペクトラム症の子どもはADHDと過剰診断されやすい 調査結果』の2本です。

①ネットフリックスが、自閉症をテーマにしたドラマを制作へ

Netflix Picks Up New Original Series About Autism, ‘Atypical’blank

 動画配信大手のネットフリックス。ハリウッドやテレビ局が制作した映画・ドラマを配信するだけではなく自社で意欲的なドラマを制作して高い評価を受けています。最近は、緘黙(かんもく・・・ある特定の場面や状況で話せないこと)を主人公にしたドラマで注目を集めましたが、今度はAtypical(典型ではない)というタイトルで自閉症スペクトラムの主人公のドラマを作成するとのことです。おそらくまずは英語版だけだと思いますので、日本でいつ放送になるのかが気になります。

②自閉スペクトラム症の子どもはADHDと過剰診断されやすい 調査結果

Children with autism may be over-diagnosed with ADHD, new study suggests blank

 日本はADHDとASD(自閉スペクトラム症)が一緒くたに考えられることが多く、それはそれで個々人をしっかりとらえる支援者がいればメリットがあります。一方で米国ははっきりと分類して、アセスメントを細かくし、対応もアセスメントに基づいたものを使っていくため支援者の質に左右されにくいというメリットがあります。

 今回は自閉スペクトラム症のお子さんがADHDと過剰診断されていることが目立つという調査結果が出たとのことです。これまでのADHDの検査方法をより発展させ、特にASDのお子さんの場合の検査を改良する必要があるとのことです。米国らしい標準化の考えで、このような絶えまぬアセスメントへの意識が日本にもよい影響を与えてほしいと思います。

3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「地方と東京の療育・支援の差」他

 代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にTEENSスタッフ飯島と鈴木がお答えします。

本人の自覚

Q1. 本人が、今年になり、自分の困り感に向き合おうとしています。親として、何かできることはないか模索中です。

飯島. 抽象的な話になってしまいますが、どっしりと構えて、お子様が求められた時には受け止めてあげるための準備をしておくのが一番かと思います。TEENSに来るお子様も迷ったり混乱したりする時期はありますが、大半の子はきちんとそれを乗り切ることができますし、小さなお子様でも「この子は思春期・青年期になってもきっと大丈夫だろうな」と感じることが多いです。というのも、やはりご家庭が安定しているからなんですね。行き詰った時に、選択肢は0ではないということを提示できるよう情報収集をしておく、家庭以外にも頼れる第3者に繋げておく、といったようにお子様をサポートしていただけるのが一番だと思います。そのためにも保護者の方に元気がないといけませんので、沢山食べて沢山睡眠をとってください。

鈴木. 先日、大学生の合理的配慮というテーマで当社のウェブサイトに記事を上げました。その記事でもご紹介した通り、今後の日本社会では各人に合わせた配慮を受けるために、ご自身が能動的に権利を主張(権利擁護)することが求められます。困り感に向き合うという姿勢は、ご自身の生きやすさにつながる可能性があります。もちろんご自身を見つめなおすことはつらい部分もあり、気分が上下する可能性もありますので、物事の見方が偏りすぎないように中和してあげることがご家族など周囲ができることの一つかと思います。特に生育歴・配慮歴について色々な記録があることは今後も活用できる可能性がありますし、ご自身が頭を整理することにもつながりますので、状況を視覚化してあげる援助をしてあげるのが良いかもしれません。

地方と東京の療育・支援の差

Q2. 徳島ではSSTや学習面でのサポート、教員の理解がイマイチな気がします。これを理由に東京への転勤も考慮しています。発達障害への支援、取り組みは都道府県で違いが大きいのでしょうか。

鈴木. 福祉の世界では東京など大都市に福祉の教育機関が集中しています。このため地方で福祉の人材を確保することは難しく支援の質に差が出る可能性があります。一方で教育の現場は育成や研修などの分野では大きな差が出ている印象はありませんが、都会ほど様々な社会資源があるため、地方のほうが一人の教員にかかる負担が高いような印象があります。つまり都内でしたら、発達障害の関係機関は豊富にあり、学校以外でもあったところを探しやすいですが、地方になればなるほどそのような支援機関がなく、だからこそ教員も孤軍奮闘する必要がある点があるでしょう。なお、都会は明らかにスピードが速く、”普通”の範囲が狭いため、発達障害のある方には大人になればなるほど生きづらさが高まりやすい点も考えないといけません。このように都会か田舎かは一長一短だと思いますが、就職を考えると都会、子育ての段階では地方、が良いのではないかというのが個人的な考えです。

お預かりの放課後等デイサービス

Q3. 中度自閉症と知的障がいを併せ持つ、現在年長で、来年一年生の息子がいます。板橋区は、安全を確保するだけのお預かり放デイばかりで、御社のような、発達障がい児に一歩踏み込んだ放デイがありません。是非来年からそちらに通えたらありがたいです。

鈴木. 現在は放課後等デイサービスに対するニーズが極端に高く、どんな支援内容でも満員にできてしまうため、手を抜きたければ抜けてしまうのが実際だと思います。また保護者の方のニーズも様々で、悲しいことにお預かりしていてさえくれればよいというのが多数派ですし、どんな充実したサービスをしても事業者側の売り上げは変わりませんので、両者の利害関係の一致でお預かりが多くなってしまっていると思います。当社のようなサービスは理想ですが、ご本人や親御さんからの期待に応えるためスタッフにかかる負担も相当なものです。また当社もすべての発達障害児に合うわけではなく、やはり特異不得意がございます。ぜひご利用いただきたいと思いますが、まずはご利用説明会や体験セッションでフィット感を試していただけますと幸いです。Q5で答えます通り、今はすべての拠点でかなりの待機者が出ており、新拠点の展開次第でご利用説明会を開催してまいりますので、ウェブサイトを定期的にご確認いただけますと幸いです。

高2の女子高生 進級の壁

Q4. 高校2年生の娘がADD、アスペルガー症候群、LDです。高校には支援を受けながら通っていますが、登校渋りなども多く、単位も危ない状態です。高校1年生の時はなんとか進級できました。診断が高校1年生の時でしたので、療育など受けたこともなく情報も少なくとても困っております。同じような発達障害をもつ同年代の仲間と励まし合い将来につなげられるような場を見つけてあげたいと思っています。

鈴木. 情報というのはどのような情報でしょうか?当社のウェブサイトを含めネットにはかなりの情報がありますので、まずそちらを参考にされるとよいと思います。あるいはそこから自分の子にあった情報を取捨選択するのが難しいということかもしれません。確かにその際は支援機関につながって、お子さんの現状のアセスメントと対策、そして今後の取るべき進路について一緒に考えられるとよいでしょう。同世代の仲間と励ましあう、というのは理想ですが、発達障害のある場合は相互理解やピアサポートはやや難しめです。まずは大人と安心した場を作り、そこに同世代がいる、というようなレベルを目指されるとよいと思います。

今後の利用説明会

Q5. 10月頃に説明会があるとの事ですが、まだ日程がきまりませんでしょうか?

鈴木. 申し訳ございませんが、今拠点によっては1年以上の待ち状態になっています。加えて、新しい拠点を開く見込みが今のところ具体化していません。このため、ご利用説明会は開催を行っておりません。(10月ごろに説明会があるというご案内ではなく、10月以降は開催が未定というご案内をしています。) 来年は千葉、埼玉、それから神奈川・東京でいくつかの拠点オープンを目指しています。開所が決定し次第、説明会を複数回参加して、ご利用者を募ってまいりますので、少々お待ちください。それまでは体験セッションで空きがありましたら2か月に1度は体験いただけますので、ご検討ください。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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