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【図表でわかる!】発達障害 × 支援の心得~原因分析~ | 「課題」だけではなく「強み」の分析もしよう!

“発達障害*”にまつわる情報を3分程度で読める文章と1枚の図表にまとめてお届けします。

今回は「発達障害 × 支援の心得~原因分析~」についてご紹介します。

図表でわかる!発達障害シリーズ一覧

原因分析なき支援はしてはならない理由

「うちの子こんなことで困っていて…」と相談したときに、すぐに対応策を提示してくる支援者がいたとしたら要注意です。なぜなら、どういった対策が効果的であるかは、その原因によって異なってくるからです。

具体例を出しましょう。例えば「文字を書くことが苦手な子」がいたとします。この子の困り感にアプローチするときに、どんな方法があるでしょうか?原因ごとに考えていきましょう。

  • 文字の見え方がちがうのであれば…
    視機能に課題がある可能性が高いです。ビジョントレーニングをして視機能自体を高めたり、紙の色を変えたり補助線のある教材を使うなどのツールを工夫して負荷を減らす方法が考えられるでしょう。
  • 手先が不器用でうまく書けないのであれば…
    発達性協調運動障害の可能性があります。作業療法士が機能訓練をすることで改善が見込めるかもしれません。年齢によっては書くことにこだわらずタイピングなどICT機器を活用する方法もあるでしょう。
  • 間違いが怖いから書きたくないのであれば…
    不安感が強く、失敗への恐怖心が人一倍強い可能性があります。不安感をとりのぞいていかれるよう、最初の段階では間違っていても〇をつけるという方法が考えられます。また、正解がわかりにくい記述式の問題ではなく、選択問題で定着をはかるという手段もあるでしょう。

このように、同じ課題でも原因が違えば対応が変わります。そのため、課題にアプローチする際には、対策を考える前に「原因を分析する」必要があります。

例えば上の図では「間違いが怖くて書きたくない!」というお子さんに、ビジョントレーニングをしても意味がないですよね。原因分析のないまま誤った対応をした結果、むしろ状態が悪くなってしまうことは往々にしてあります。

経験は豊富でもアセスメントを怠ってしまえばこのようなことになりかねません。ベテラン支援者ほど「以前はこれでうまくいった」という方法に頼りがちです。盲目的にならず、ひとりひとりの課題の原因は異なるということを理解して支援に臨みましょう。

原因分析は「課題」に対してだけでなく「強み」に対しても行う

一方で、課題や苦手に注目したアプローチだけでは、子どもたちの健やかな成長をサポートするためには不十分です。

「なぜこういった行動がみられるのか?」という原因分析は必ずお子さんの得意分野でも行い、新たな活動機会に繋げたり、苦手の代替機能として活用できるように働きかけ、お子さんの得意をのばしていきましょう。

お子さんの強みにうまくアプローチすることができれば、きっと苦手は”課題”ではなくなるでしょう。

そもそも原因分析ってどうやってするの?

じゃあ原因分析ってそんなに簡単にできるの…?と思われるかもしれません。お察しの通り、原因を厳密にアセスメントしていくことは非常に難しいです。

方法としては以下のようなパターンが考えられますが、それぞれメリット・デメリット、注意点がありますので別の機会にご説明します。

  • 本人に聞く
  • 本人を知る他者に聞く
  • 本人の行動から分析する
  • 本人の過ごしている環境から分析する
  • 成育歴などのインフォーマルな情報から分析する
  • 心理検査などのフォーマルアセスメントの結果から分析する

※※図の使用について※※
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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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