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発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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発達障害と大学受験~周囲はどんなサポートをするべきか?~TEENS三鷹で行った、大学受験サポートの実例をご紹介!

2017年12月12日

TEENS三鷹の堀井です。

先日、TEENS三鷹におめでたいニュースが。それは学習支援を利用しているA君の大学合格!しかも第一志望です。

今回はそんなA君の大学受験のサポートについてTEENSでの取り組みをご紹介します。

合格発表のイラスト「合格して喜ぶ学生」

段取りが苦手な発達障害のお子さんのための受験にむけたTO DOリスト

発達障害*のお子さんは見通しを持つのが苦手な傾向があります。特に学習の場面では、何からどんな風に取り組んでいけばよいかわからず学習へのモチベーションを保てないお子さんが少なくないでしょう。

今回、A君のAO入試に向けてTEENSでは提出書類の作成や面接練習をお手伝いをしました。さあやるぞ!と張り切ったのもつかの間…「何から始めたらいいかわからない」とA君。揃えなければならない書類、何を聞かれるのかわからない面接を前に戸惑っていたのです。…確かに、”受験する”とひとことで言っても事前にやらなきゃいけないことって結構あります。受験には何より計画性が大切です。

先日のブログ「自閉症の子には”人間関係”も構造化して教えよう」でも記載した通り、先の見通しを持ちづらい人にむけて「いつ」「どこで」「なにを」「どのように」「どこまで」「次は何をするのか」といった情報を、視覚的にするなどしながら明瞭にして、情報を伝える”構造化”という手法があります。今回はこの構造化ができるツールを作っちゃおう!ということで、作成したのが「提出書類TO DOリスト」でした。出願日やどの書類をどれくらい進められたかを把握しやすくします。

実際に活用した予定表

 

ポイントチェックリストで面接練習

提出書類が整ったら次は面接練習です。入室動作や姿勢・視線など、面接での基本的なふるまいも一気に身につけるのは大変ですよね。自分がどこまでマスターできているのか把握しながら進められるよう、基本的なふるまいを一覧にしたリストを作りました。できたらチェックを入れます。今日はここを意識しようと目標を立て、回を重ねるごとにこのチェック項目を増やせるよう練習していきました。

面接用チェックリスト。OKの項目が増えていきます。

 

成長、そして自信へ

合格という大きな目標。スタッフとA君で話し合って決めた今日は何を頑張るかという小さな目標。これらが明確になったことで、A君の力が花開いていきました。

特に成長がよく見えたのは面接練習でした。はじめは緊張もあり手を膝に置いたままにすることも難しくそわそわ。紙に書いたセリフを覚えようといきなり見ずに挑戦し、言葉に詰まって終わってしまうこともありました

そこでチェックリストにある「今日意識する項目」をベースに、スタッフからどう見えるか、どうすると印象が変わるのかなどを、具体的動作を交えながら短くポイントを絞ってアドバイスしていきました。また、面接の様子を動画撮影し項目ごとに自己採点してもらうことで自分を客観視する時間を設け、アドバイスを本当の意味で理解できるよう促しました。

これらの取り組みは本人にとっても発見が多かったようです。フィードバックを元に実践した後「やっぱりこう動くのが大切なんですね」としみじみ言う場面も見られました。

すると一度に意識できる数が少しずつ増えていきました。「この練習もしたい」「ここは意識できたけど、ここはもっとこうすればよかった」などなど、自発的に自分を振り返るようにも!こちらの予想を上回る姿にスタッフもびっくりさせられてしまいました。この成長は本人や受験本番にも変化をもたらします。対策を始めたころと比べ、表情は明るさが。話し方やふるまいもとても自然になりました。実際の試験ではイレギュラーな出来事が多発したそうですが、最後までやりきり、伝えるべきことを伝えられたようでした。これまでの練習で培った力が自信に繋がったのかもしれません。結果、見事第一志望の学校に合格することができました!

TEENSで合格を伝えてくれた日には、お礼のお菓子を持参してくれました。なんと「お世話になったから」と自分からご家族に相談し買ってくれたそうです。これにはさすがにスタッフ一同ホロリとさせられました。

今、A君は卒業までの半年でやりたいことに向け新たな一歩を踏み出しています。TEENSでの時間もあと少し。成長を更新していけるよう、できるサポートを行っていきます。

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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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