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発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育
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TEENS保護者会を開催 Q&A「発達障害に理解のある進学先は?」他2016年10月号

  1. TEENS保護者会を開催
  2. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース 『オリンピック金メダリスト ADHDの服用をハッカーに暴露された後の反応』他
  3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「発達障害に理解のある進学先は?」他

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1. TEENS保護者会を開催

 毎年開催している当社の保護者会。今年は10月9日に秋葉原で開催しました。NPO法人ADDSの熊仁美 共同代表から「成功体験をデザインする子育て ~応用行動分析の理論から~」のご講演を頂いたほか、当社のサービスについて現状をご報告差し上げたり、ご参加いただいた保護者の皆様同士での交流時間を取るなど貴重な一日となりました。今後は開催頻度を上げて各地で開催していきたいと考えています。

<リンク>

2. 海外メディア 発達障害児関連の注目ニュース 「オリンピック金メダリスト ADHDの服用をハッカーに暴露された後の反応」

 このコーナーでは海外メディアが伝えた子どもの発達障害*に関する注目記事をセレクション。解説を交えてお伝えします。今回は『①グーグルグラスの活用法 自閉症のお子さんの感情理解を促進 スタンフォード大学のプロジェクト』、『②オリンピック金メダリスト ADHDの服用をハッカーに暴露された後の反応』の2本です。

①グーグルグラスの活用法 自閉症のお子さんの感情理解を促進 スタンフォード大学のプロジェクト

A new use for Google Glass: Helping children with autism understand emotionblank

 スタンフォード大学で行われているグーグルグラスを用いた自閉症のお子さん向けのプロジェクトについてです。動画付きでCNBCで紹介されています。

 グーグルグラスは一般への販売は中止されてしまいましたが、眼鏡のようにかけてデジタルのデータが表示されるという、現実拡張(AR)の製品の一つです。現在は自動車工場の製造などでも使われて現場のミス率を下げるなど効果を上げているそうですが、今回の記事では自閉症のお子さんが表情を読み取る時の手助けになる治具(じぐ)として紹介されています。表情が色や絵文字で伝えられるとのことです。

 これまで100人に使ってもらい、ほぼ全員が満足したとのこと。まだ公共の場では使えず自宅でのセッションで使うもののようですが、毎日短い時間セッションをして、大きな効果があったと喜ぶご家族にスポットライトを当てて伝えられています。目を合わせることが増えるなど表情を読み取ろうとする意欲も高まったようです。

 自閉症の人に、あるいはそれを支援する人たちに、IoTやARは今後一層キーワードになりそうです。

②大統領候補 ドナルド・トランプはADHDか? 専門家の考察

Simone Biles ‘not ashamed’ and ‘not afraid’ as Russian hackers reveal ADHD treatment blank

 市販の薬でも禁止成分が含まれることがあることから、ドーピング検査の関係でスポーツ選手は一般の人に比べて薬の服用がいろいろと制約されています。頂点を決める場であるオリンピックではその検査が厳しいことは皆さんもご存知だと思いますが、一部の選手にはその制約が緩和されていることはご存知でしょうか?

 認められる一つにADHDの薬があるそうで、今回のオリンピックの金メダリスト(新体操)である、シモーネ・バイルズ(米国)もその一人。ただしその事実は、ロシアのハッカーによって公開されたものでした。その報道を受けて、シモーネは以下のようなコメントをTwitterで表明し、また米国の体操協会も声明を出しています。

シモーネのツイート

  • 私はADHDの特徴があり、子どものころから服薬している。いつもルールに従っているしこれからもそうする。なぜならスポーツをするうえでルール順守はとても重要だから。
  • ADHDであることや、薬を飲んでいることは、何も恥ずべきことではないし、人がそのことについて知ることを恥じることもない。

 ちなみに記事では水泳で複数のメダルを獲得したマイケル・フェルプスもADHDの診断を受けていることが触れられています。

3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「発達障害に理解のある進学先は?」

代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にTEENSスタッフ飯島と鈴木がお答えします。

発達障害に理解のある進学先は?

Q1. 進学先を決めるにあたって(現在高1)就労に結び付きやすい大学・学部はどこなのか、支援のある大学はどこなのか等知りたいと思っています。

鈴木. 以前、自分のブログで「発達障害のお子さんへ お勧めする大学とは?」を書いていました。ポイントを抜き出しますと、①小規模大学はかなり良い ②なので女子大学は概ね手厚い (小規模な場合が多いのと、キリスト教系が多いからでしょうか、もともと一人一人に手厚いです) ③卒論がない学部・学科が良い ④出席点への加算が高い大学が良い ⑤本人のこだわりがある学部に行ったほうが良い というポイントになります。就職に結びつきやすい大学というのははっきり言うとやはり偏差値の高い大学ほど有利というのは支援していて感じます。また理系のほうがやはり就職率は高いと思います。ただし大学の違い、学部の違いよりもご本人の状態がより大きく影響することはご認識おきください。

 支援については、ごくごく一部の大学ですが、発達障害の特性に合わせた支援プログラムを有償・無償で提供しているところはあります。また発達障害学生向けの専門の支援機関を立ち上げているところもあります。一方でそういった専門組織を立ち上げていなくても、熱心な先生がいれば上手に支援をしているケースもあります。

 最近の変化として「合理的配慮」という視点が大学にも法的に導入されています。国立大学では義務化されていますし、その他公立大学や私立大学でも努力義務となっています。このため大学で支援がないということは少なくなっていくはずです。

 今後も「発達障害の支援をしています」と声高に伝える大学はあまり現れないかもしれませんが、当社など支援機関には徐々に熱心な大学の情報は集まりつつありますので、上手に頼っていただければよいと思います。

どこまで無理強いしてよい?

Q2. 学年が進むにつれ算数の理解がしにくくなってきました。また、嗜好に片寄りがあり給食も特定のものしか受け付けません。新しいことに不安を抱くという特徴のように、宿泊学習や交流給食など大きな不安を感じていることで、本人も周囲も困る状況があります。学校に行きたくない、ということは今はありませんが、休み時間等ひとりで過ごしているようです。親としてはお友達と元気に外で遊んでほしいと思ったこともありますが、ひとりで過ごすのもいいじゃない!と思うように、またそれを認めるように接しているところです。今の心配は、中学校をどうするかです。今は公立の普通級に通っています。上の子の様子をみていると、公立中学校での学習は厳しいと思っています。このままこの子がやりたくない、行きたくない、と言うことを鵜呑みにしていて良いのか、と思っている反面、無理強いしてしまうのもどうか、とさじ加減が難しいと感じています。父親と母親(私)では、考え方や接し方に多少違いがあります。

鈴木. お子様は小学生ですね。学習面、対人面、感覚過敏などの生活面、など諸々の面でご本人が疲れやすい、折れやすい状態なのだと思いました。やりたくない、行きたくない、というのを字義通りとらえるかどうかですが、本人の目線で考えると、上手くできるならやってみたいけれども、どうせ上手く行かないのだからやりたくない、行って楽しいなら行きたいけれども、どうせみじめなのだから行きたくない、ということなのではないかなと思いました。

 このような状態に陥った子に叱咤激励をしても、なかなか受け取れないであろうと思います。ぬくぬくと育てたほうが良いというわけではありません。が、おそらく今は、この業界では王道ですが、スモールステップで出来る感覚をつかませてあげる時期なのではないかと思いました。ご兄弟があるのもプラスになる部分もありますが、ご本人も周囲も無意識に比較してしまっているのかもしれません。ご本人がまず自己肯定感を育める方向に舵をできる限り切る、でよいと思います。

相談できる機関

Q3. 同じ立場の方と情報を共有したいと思っていましたが、周囲に相談できる方もなく、学校に相談しても期待するアドバイスはもらえず、いろいろ調べている時に貴社のサイトを拝見しました。意見でも質問でもありませんが今の気持ちを吐き出してしまいました。長くなってしまいすみません。これからニュースレターで情報を得たいと思います。

鈴木. 私も所属している東京都自閉症協会では茶話会などを通じて親御さんの相談にのってくれています。歴史のある機関で所属している年齢層も高めですが、理解してもらえる中でお話ができると思います。LD親の会も全国的に存在しますので、所属されると良いかもしれません。また当社でもSNSや保護者会などをしていますので、そこでのつながりも活用できます。やや組織の寿命は短いかもしれませんが各地で通級の親の会なども出来ています。いろいろなイベントに顔を出していただくとよいのではと感じました。

ソーシャルスキル・トレーニング

Q4. ソーシャルスキルを、身につけさせたいのですが、個別・少人数を希望ですが可能ですか。

鈴木. 今のところ当社では、学習支援(一人一人の課題に対応)と、お仕事体験(グループワークで仕事のマナーと社会のマナーを学ぶ)の2つのプログラムしかしていません。ソーシャルスキルへの対応としては、学習支援の中でもしていますし、お仕事体験ではもちろん対応していますが、ソーシャルスキルトレーニングを前面に押し出したプログラムではありません。これでよろしければまずご利用説明会か体験セッションにお越しいただければと思います。

 

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます

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